2007-05-26 Sat 00:32
オリバーストーンがフィデル・カストロに30時間以上インタビューしたドキュメンタリー映画『コマンダンテ』が今日(5月26日)から公開だそうです。というわけで、数あるカストロ切手の中から、僕の個人的なお気に入りとして、こんな1枚を持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、キューバ革命の起点となったモンカダ事件11周年を記念して1964年に発行された切手で、カストロの著書『歴史は私に無罪を宣告するであろう』の二つの版(上がバティスタ政権下で密かに発行された初版本で、下が革命後に発行されたもの)が取り上げられています。 1953年7月26日、27歳の青年弁護士、フィデル・カストロひきいる165名の青年たちは、当時のバティスタ独裁政権の打倒を目標として、キューバ第2の兵営であるモンカダ兵営を襲撃します。しかし、彼らが期待した一般市民による反バティスタ蜂起は起こらず、逃げのびたカストロ本人も逮捕・投獄されてしまいました。 裁判に際して、弁護士であったカストロは、被告人でありながら自らの弁護を担当し、最終弁論を「歴史は私に無罪を宣告するであろう」との有名な台詞で締めくくったものの、禁錮十五年の判決を受け、ピノス島のモデーロ監獄に収監されます。 ところが、彼が獄中で執筆した手記『歴史は私に無罪を宣告するであろう』が密かに出版されると、カストロらに対する恩赦を求める運動が市民たちの間に広がり、1955年5月、バティスタも渋々ながらカストロの釈放を認めざるを得なくなりました。 こうして釈放されたカストロは、再起を期していったんメキシコに亡命。そこで“アメリカ帝国主義からラテンアメリカを解放する”との理想を抱いてメキシコシティに来ていたアルゼンチン出身の青年医師、エルネスト・ゲバラと知り合って意気投合し、た。カストロとチェ(“仲間”を意味するゲバラの愛称)・ゲバラという黄金コンビの誕生が生れることになるのです。 今回公開される映画『コマンダンテ』は、2002年2月にカストロに行なわれたインタビューを構成したもので、革命やゲバラとの決別、ミサイル危機、後継者問題などについて、カストロ本人の貴重な証言が聞けるようです。米国では上映が禁止されているということもありますし、僕も、なんとか時間を作って劇場に行ってみたいと考えています。 なお、カストロとキューバにまつわる切手・郵便に関しては、拙著『反米の世界史』でも1章を設けていますので、こちらもあわせてご覧いただけると幸いです。 |
#671 面白い切手ですね
本の書誌的に、初版と次ぎ以降の版と並べた図案の切手というのは、少ないのではないのではないのでしょうか。
ところでキューバという国も、他の社会主義国と同様トピカル図案の多そうな国ですね。 歴史の一端を物語る渋い切手ですね。地図切手ばかりを追いかけていると,こういう切手を見逃してしまうのですが,当方のブログで先日取りあげた(トラックバックさせていただきました。)キューバ革命関連の地図切手(カストロとチェ・ゲバラも描かれている。)にこのような切手を組み合わせていくと,一つのテーマティク作品が出来上がっていくような気がします。いずれはそのような作品も作ってみたいなと思いました。
#677 コメントありがとうございます
皆様、コメントありがとうございます。
・muraki様 やっぱり、トピカル図案の切手は多いですね。以前、『反米の世界史』をつくるのでカストロ以降のキューバのコレクションを買ったのですが、ebayでは“トピカル切手多数アリ”みたいな売り文句が就いていました。 ・mapstampfan様 キューバはスペイン時代、米西戦争、カストロ以前、カストロ以降と時代区分もはっきりしていますので、歴史モノのコレクションは構成しやすそうです。中南米は日本ではなじみのないところばかりですが、それなりに面白い国も多いので、「西インド諸島の地図」や「マヤ文明」に続いて、本格的なコレクションが出てくると良いなぁ、と常々思っています。 #697 承認待ちコメント
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