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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 Tと〒
2007-02-08 Thu 00:39
 2月8日は、〒マークの日なんだそうです。というわけで、今日はこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

 郵便創始50年・4銭

 これは、1921年4月20日、郵便創始50年を記念して発行された切手の1枚で、中央には日章旗を中心に左右に新旧の郵便旗を配し、四隅には1871年に発行された日本最初の切手4種類が配されています。(なお、日本最初の切手のデザインに龍が取り上げられたいきさつについては、拙著『皇室切手』でもいろいろと分析してみましたので、是非、ご一読いただけると幸いです)

 このうち、左側に描かれている丸に一本線の旗は、郵便創業の初期から用いられていたもので、1884年に郵便徽章として正式に制定されたものです。

 これに対して、右側の〒の旗は、いまから120年前の1887年2月に制定され、現在まで郵便のマークとして親しまれているものです。このデザインが郵便旗ないしは郵便徽章として正式に決まるまでは紆余曲折の経緯については、以下のように説明されています。

 すなわち、1887年2月8日、逓信省は「自今(T)字形ヲ以テ本省全般ノ徽章トス…」との告示を出しました。逓信省としては、欧文頭文字であるTを図案化しようとしていたわけですが、世界的には、Tは郵便料金の不足を示す印として用いられていることがわかり、2月14日になってこれを〒に変更し、さらに2月19日付の官報で“Tは〒の誤り”という訂正を出して、〒が逓信省の徽章となり、現在にいたる、というわけです。なお、〒はカタカナのテを図案化したものということになっています。

 まぁ、いったん出された告示が修正されたことは事実ですが、この手の話というのは、実は真偽の確認のしようもないのですが…。(実際、ウィキペディアでは異説も紹介されています)

 柳沢厚生労働大臣が、女性を“産む機械”と表現したり、“若夫婦が子供ふたりを望むという健全な状況”といったりした“失言”で、連日、女性議員やマスコミなどから叩かれていますが(まぁ、叩くほうも叩くほうで、いささか揚げ足取りで大人気ないような気もしますが)、件の大臣閣下も、下手な言い訳や弁解はせず、何か気の利いた切り返し方をすれば、ここまで話がこじれることもなかったかもしれません。その意味で、Tと〒の切り替えができた明治の逓信官僚の機転には、素直に敬意を表したいところです。

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