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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 化粧まわしは安物?
2007-01-07 Sun 00:43
 今日から大相撲の初場所だそうです。同じNHKで見るなら、太った男の裸より、紅白歌合戦でDJ OZMAの後ろで踊っていたお姉さんたちの裸(実はボディ・スーツだったそうですが)の方が好きだという人の方が多いとは思いますが、まぁ、そうはいわずに、こんな切手を見てやってください。(画像はクリックで拡大されます)

秀ノ山土俵入り

 これは、1978年7月に発行された「相撲絵シリーズ」第1集の切手で、三代豊国の「秀ノ山雷五郎横綱土俵入之図」が取り上げられています。オリジナルの作品は三枚綴りですが、切手には横綱・秀ノ山の土俵入を中心とした左側の2枚のみが取り上げられています。なお、切手に取り上げられなかった右端の1枚は、行司や親方を描くものです。

 さて、先日、<解説・戦後記念切手>シリーズの第5巻の原稿を書こうと思って、この絵のオリジナル(相撲錦絵の繚乱というページでも見られます)をチェックしてみたところ、切手はオリジナルの作品と大幅に色を変えていることがわかって、ちょっとビックリしました。

 まず、オリジナルでは背景は青緑色ですが、切手ではこれがグレーになっています。また、横綱の化粧まわしも、オリジナルでは色明るい紫色の部分が切手ではグレーに、下の総飾りの部分がオリジナルでは黄色と茶色の2色であるのに対して切手ではわずかに薄橙の部分があるだけでほとんどがグレーになっています。切手だけで見ていると特に感じなかったのですが、オリジナルと比べてみると、切手のまわしは随分と安っぽい感じがします。

 美術作品を取り上げた切手というと、一般には作品(の一部)を忠実に再現したものと考えがちですが、実際には、印刷機の都合などもあって、かなり手を加えているケースというのも少なくありません。今回の切手も、その一例といえましょう。

 さて、2001年から刊行を続けている戦後記念切手の読む事典<解説・戦後記念切手>シリーズですが、昨年刊行のシリーズ第4巻『一億総切手狂の時代:昭和元禄切手絵巻 1966-1971』につづく第5巻は、今年3月に刊行の予定です。今回の第5巻では、1972年の「札幌オリンピック」から、今回ご紹介した「相撲絵シリーズ」を含めて1979年途中まで(どこを切れ目にするかは、ページ数の調整次第、といったところです)の記念・特殊切手を項目として収録の予定です。

 また、刊行が近づきましたら、このブログでもいろいろと予告編を掲載していきたいと思いますので、お楽しみに。
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