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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 インドで世界一の像完成
2018-11-02 Fri 10:36
 インドのグジャラート州で世界最大の立像、“統一の像”が完成し、おととい(31日)、完成記念式典が行われました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      インド・パテール(1965)

 これは、今回の“統一の像”のモデルとなったサルダール・ヴァッラブバーイー・パテールの生誕90年を記念して、インドが1965年に発行した記念切手です。ちなみに、“サルダール”は、頭目、親分、親方、大将、司令官などの意味で、シーク教徒に対する敬称としても使われています。

 サルダール・ヴァッラブバーイー・パテールは、1875年10月31日、グジャラート州生まれ。英国留学を経て、弁護士として開業し、1918年以降、ガンディーの側近として活動するようになりました。1922年2月以降、ガンディーは農村における不服従運動の実験的な試みとして、グジャラート州バールドーリ県で大衆的な地税不払い運動を開始していましたが1924年にアフマーダーバード市(グジャラート州の主要都市の一つで、1915年のガンディーの“塩の行進”の出発地)の市会議長に就任したパテールは、運動の中心メンバーの一人として、1928年には地租引き上げ政策を撤回させて有名になり、以後、“サルダール”の敬称で呼ばれるようになりました。

 その後、サルダールは、1931年の国民会議派カラチ大会では議長を務め、1947年のインド独立後は、ジャワハルラール・ネルー初代首相の下で副首相・内務大臣を務めました。特に、インドパキスタン分離独立に際しては多くの藩王国を巧みな手腕でインドに帰属させ、“インドの鉄の男”、“インドのビスマルク”と称されました。今回、彼の像が“統一の像”と命名されたのは、こうした事績によるものです。

 さて、今回完成した“統一の像”は、台座を含めると高さ240mに達し、ニューヨークの自由の女神像の約2倍、これまで世界一の高さを誇った中国河南省の魯山大仏を上回っています。総工費は約4億2000万ドル、使用した鉄は700トンに及んでいます。

 像は、モディ首相の出身地であるグジャラート州の僻地に建設されました。おそらく、首相の権威を強調するための計画だったのでしょうが、建設費が巨額なため、貧困層の抗議活動が起きたほか、地元住民が像建設のために収用した土地の補償を要求し、混乱が生じる可能性も懸念されており、あるいは、首相にとっては大きな重荷になってしまうかもしれません。


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