1940年の皇紀2600年にあわせて、東京オリンピックと万博が計画されていたものの、日中戦争によっていずれも中止に追い込まれたことは広く知られています。
1940年にオリンピックを東京で開催することが正式に決まったのは、1936年7月31日(ベルリンオリンピック開会式の前日)。日本政府が正式に大会の開催中止を決定したのは1938年7月15日でしたから、この間、日本では1940年のオリンピックを宣伝するマテリアルがいろいろと作られました。↓のカバー(封筒)もその一例です。
カバーの封筒は、日本郵船がつくったもので、同社の所有する客船の船室にも備え付けられていたものと思われます。このカバーの場合は、1938年3月、同社の所有する龍田丸の乗客がアメリカ宛に差し出したものです。なお、この封筒は大量に作られたため、大会の中止が決定された後、オリンピックの文字を抹消して使用されました。
1940年の東京オリンピック関連のマテリアルは、“幻のオリンピック”のドラマ性もあって昔から人気があり、マーケットではそれなりの値段で取引されています。
中国政府のオリンピック開催能力に?が付けられたり、新たにオリンピックの会場となったロンドンがテロに見舞われたりしていますが、今後も“幻のオリンピック”が生まれる可能性はあるのでしょうか。
もっとも、仮に中国でのオリンピック開催が不可能となったとしても、すでに2008年のオリンピックに向けて中国が発行した切手類は大量に市場に出回っていますから、それらが“お宝”になるのは期待できそうにありませんが。
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