現在の日本人にとって、最も身近な話題となったテロといえば、北朝鮮による拉致事件ということになりましょう。
その実行犯の一人で、原敕晁さんを拉致した北朝鮮の元スパイ、辛光洙(シンガンス)が、北朝鮮に拉致された曽我ひとみさんと横田めぐみさんの教育係であったことが2~3日前の新聞等で報じられ、話題となりました。
辛は、北朝鮮の元工作員で、1980年6月、原さんを宮崎県の青島海岸から誘い出し拉致し、その後は原さんになりすまして日本のパスポートを取り、アジア各国で出入国を繰り返していました。そして、1985年に韓国で逮捕され死刑判決を受けたものの、1999年末に恩赦で釈放され、2000年9月、非転向長期囚として北朝鮮に送還されました。
ちなみに、非転向長期囚を迎えた北朝鮮は、2000年12月、彼らの帰還の日の写真を取り上げた切手の小型シートを発行し、その余白に非転向長期囚の顔写真を並べています。(↓)
小型シートに取り上げられた非転向長期囚のうち、下から3列目の一番右側には、辛の顔もしっかりと取り上げられており(下はその拡大図です)、北朝鮮側が辛を“英雄”視していることが分かります。
国家テロの実行犯を“英雄”として切手に取り上げるという神経は、我々には到底理解しがたいものですが、それこそが、“テロリスト国家”の面目躍如ということなのかもしれません。