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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 闘牛場近くでテロ
2017-02-20 Mon 17:22
 コロンビアの首都ボゴタのマカレナ地区にあるサンタマリア闘牛場の近くで、昨日(19日)、テロとみられる爆発があり、警備の警察官を中心に31人が負傷(うち2人は重傷)し、10人を超える容疑者が拘束されました。というわけで、今日はこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      コロンビア・闘牛場

 これは、1981年にコロンビアで発行された航空切手で、今回のテロ事件が起きたサンタマリア闘牛場が取り上げられています。

 サンタマリア闘牛場(正式名称はトーレス・デ・サンタマリア広場:Plaza de Toros de Santamaría)は、レンガ造りの円形野外スタジアムで、1931年に完成しました。収容人員は1万4500人で、闘牛のみならず、コンサートや各種のスポーツイヴェントも行われています。ムーア風の瀟洒な建築が人気で、建物じたいがボゴタのランドマークになっています。

 さて、ラテン・アメリカ諸国では、旧宗主国スペインの影響もあって、伝統的に闘牛が盛んに行われてきました。このため、闘牛は芸術的表現の一種であり、コロンビアの文化や伝統の一部であるというのが、一般的なコロンビア人の認識です。

 ところが、2012年のボゴタ市長選挙で、左翼ゲリラ組織“4月19日運動(M-19)”の武装ゲリラとして、1985年11月6日に発生した最高裁判所ビル占拠事件にも関与した過去のあるグスタボ・ペトロが当選。極左政治家の常として、ペトロは過激な動物愛護運動とも関係が深かったこともあり、闘牛を“動物虐待”と認定し、サンタマリア闘牛場も閉鎖してしまいました。

 当然のことながら、こうした措置には不満を持つボゴタ市民も多く、彼らは、法廷闘争の末、憲法裁判所から闘牛再開を支持する判断を勝ち取ります。その結果、今年1月22日、4年ぶりに競技が再開されましたが、当日は再開に反対する動物愛護の活動家らが闘牛場を取り囲むなどの抗議活動を展開。その後も、サンタマリア闘牛場では毎週日曜日に闘牛が行われていますが、そのたびに、多数の警察官を動員しての厳戒体制が敷かれています。

 今回の爆破事件を受けて、現ボゴタ市長のエンリケ・ペニャロサはツイッターで「われわれはテロリストを恐れない。容疑者を捕らえるため、必要なことは何でもする」と述べています。なお、現在のところ、コロンビア当局は事件と爆発事件との関係について明らかにしていませんが、たしかに、闘牛反対派でなくても、左翼ゲリラや密輸にかかわる犯罪組織など、爆破事件を起こしそうな集団が少なからず存在している国ですから、事件の背後関係については慎重に捜査を進めるしかないのでしょう。
      

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