2010-07-29 Thu 22:18
スペイン北東部のカタルーニャ自治州(州都バルセロナ)の議会は、きのう(29日)、「闘牛は動物虐待にあたる」として、2012年1月1日以降、州内での闘牛を禁止する条例を可決しました。スペインを代表する伝統文化の「闘牛」を禁止する条例がスペイン本土で可決されたのは、これが初めてのことです。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1960年2月29日にスペインで発行された闘牛の切手の1枚です。切手には2人の闘牛士が描かれていますが、奥の方で牛と格闘しているのが、カポーテ(ケープ)を使って牛を誘導している助手のバンデリジェーロで、手前にいるのが、最後に止めをさす正闘牛士のマタドールではないかと思います。なお、バンデリジェーロは槍士のピカドールのもとへと牛を誘導し、ピカドールが馬上から牛の肩の瘤に槍を突き刺し牛を弱らせ、頭を下げさせたところで、マタドールが止めを刺すというのが一般的な流れだそうです。 さて、スペインの国技とも称される闘牛ですが、近年、サッカーの人気に押されて観客が激減。特に、2007年8月に国営放送が闘牛の生放送を中止してからは、急激に衰退していったといわれています。(NHKが生中継を止めてしまった大相撲も、これからその轍を踏むということになるんでしょうかね。) これに追い打ちをかけるように、動物愛護団体による“動物虐待”との批判が強まり、今回の事態にいたったということなのでしょうが、スペインを代表する伝統文化をスペイン人自らが否定してしまうという状況にはなんとも言えない寂しさを感じますな。 もっとも、今回の闘牛禁止は、スペインからの独立志向が強く、独自の文化をもつカタルーニャ地域主義が背景にあるとも指摘されています。そういえば、我々になじみのあるところでも、環境保護を騙るテロリスト集団のシーシェパードはいうに及ばず、ジュゴンの保護を大義名分に反基地闘争を展開している輩のように、自然保護や動物愛護を隠れ蓑にした活動家というのがいますからねぇ。マドリードでは闘牛禁止を求める動きが盛んということではないようですし、カタルーニャの場合も、単純に、動物保護云々で片づけられる問題ではないのかもしれません。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ 総項目数552 総ページ数2256 戦後記念切手の“読む事典”(全7巻) ついに完結! 『昭和終焉の時代』 日本郵趣出版 2700円(税込) 2001年のシリーズ第1巻『濫造濫発の時代』から9年。<解説・戦後記念切手>の最終巻となる第7巻は、1985年の「放送大学開学」から1988年の「世界人権宣言40周年」まで、NTT発足や国鉄の分割民営化、青函トンネルならびに瀬戸大橋の開通など、昭和末期の重大な出来事にまつわる記念切手を含め、昭和最後の4年間の全記念・特殊切手を詳細に解説。さらに、巻末には、シリーズ全7巻で掲載の全記念特殊切手の発行データも採録。 全国書店・インターネット書店(amazon、bk1、JBOOK、livedoor BOOKS、7&Y、紀伊国屋書店BookWeb、ゲオEショップ、楽天ブックスなど)で好評発売中! |
#1745 自然保護、動物愛護はサヨクの隠れ蓑
落ち目になって久しいサヨクにとって自然保護や動物愛護は格好の隠れ蓑です。時代遅れのマルクス・レーニン主義を掲げればソッポを向かれますが、自然を守れ、絶滅の危機にある動物を救えと叫べばサヨクイデオロギーとは無縁の一般人にも共感が得られます。昔から市民運動や反戦運動をやっているような連中、所謂“プロ市民”の殆どがサヨクかそのシンパでしたが、最近はこれに自然保護や動物愛護の活動家が加わりました。しかし、自然保護や動物愛護を謳いながらその実態は正にテロリストそのもの。やっている事は昔のサヨク過激派と大差ありません。いくら隠れ蓑を被ってもその本性は隠せないようです。
#1747 コメントありがとうございます
・アルファ様
現状のエコ派や環境保護派におかしな人たちが多いのは困ったものです。純粋に環境保護を考える保守派というのがあっても良いはずなのですがねぇ。 たとえば、日本ではスローフードというとリベラル系のイメージが強いのですが、発祥の地であるイタリアでは、伝統的な食文化を守ることを目的とした保守系の運動という面が強いようです。 美しい国土を守るために、左翼連中に惑わされず、保守陣営がきちんと活動していくことが必要ですね。 |
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