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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 ブラジル大統領弾劾、下院で承認
2016-04-18 Mon 15:18
 ブラジル下院(国民会議代議院)は、17日(日本時間18日)、財政悪化を隠すため、政府会計を不正に操作したとの理由で、ルセフ大統領を弾劾すべきとの決議を、下院通過に必要な3分の2を上回る367票の賛成をもって承認しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      ブラジル・国民会議

 これは、1972年12月4日にブラジルで発行されたブラジル国民会議の切手です。

 ブラジルの連邦議会は上院に相当する元老院(定数81)と連邦上院と下院の代議院(定数531)で構成されており、現在の議事堂は、1960年のブラジリア遷都にあわせて、1959年、ブラジリア中心部・プラーノピロット地区の先端部に建てられました。設計は、ニューヨークの国連本部ビルなどを手掛けたオスカー・ニーマイヤーです。

 議事堂は、正面から見ると、左側に半球を伏せた形の上院の議事堂、右側には反対に半球を上に開いた形の下院の議事堂があり、間に議会事務局が入っているツインタワーがあります。上院は保守的な性格の議会なので上に閉じた形、下院は人々の声をよく聞き新しいアイデアを出すべき議会なので上に開いた形というのがニーマイヤーの説明です。なお、これらお椀型の造形は、じつは建物の装飾で、実際に国会審議・採決が行われる議場は、ブラジリアの過酷な気候の影響を和らげるため、お椀の下の地下に造られています。

 画面の左側に描かれているのは、イタリア系ブラジル人彫刻家、ブルーノ・ジョルジによるカンダンゴ像です。

 カンダンゴ像とはブラジリアの三権広場の中央に建てられている2名の戦士像で、大きさは8m。都市建設にたずさわった無名の労働者たちを称えるために建てられたものですが、作者のジョルジは人権運動にも強く関わっていたことから、自由平等の思いを形にしたモノともいわれています。

 さて、今後の日程ですが、ルセフ大統領の弾劾審議は、5月上旬に上院で弾劾法廷設置を巡る投票が行われ、過半数が賛成すれば弾劾裁判開始が決定。その場合、ルセフ大統領は最大180日間の職務停止となり、大統領職はミシェル・テメル副大統領が代行しますので、8月5日に開幕のリオ五輪については、テメル副大統領が開会宣言を行うことになります。さらに、最終的に上院での弾劾裁判で54人が賛成すれば、ルセフ大統領は失職し、テメル大統領が昇格という段取りです。

 昨年スタートした2期目のルセフ政権は、深刻な不況に加え、大規模な汚職事件が発覚したこともあり、支持率は10%前後まで低迷。こうしたなかで、今年(2016年)3月18日、連立与党のブラジル共和党が連立を離脱すると、同党出身で五輪担当のジェオルジェ・イルトン大臣(スポーツ相)は連立を維持していた社会秩序共和党に移籍して大臣としての職務を続けていたものの、3月30日には辞任に追い込まれています。

 政治的混乱に加えて、ジカ熱の問題も解決のめどが立っていませんし(じっさい、男子ゴルフのフィジー代表で元世界ランキング1位のビジェイ・シンはジカ熱を理由に五輪出場を見送ることを明らかにしています)、関連の工事も遅れているということですし、本当にリオ五輪、今年8月に開催できるのかなぁ。


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