2014-04-14 Mon 22:46
きょう(14日)は、インドシナ諸国では伝統的な暦で新年にあたります。というわけで、きょう新年を迎える国のうち、昨年、実際に僕が訪ねたラオスの切手の中からこの1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1966年にラオスで発行された伝統儀礼の切手で、バーシー・スー・クワンの光景が描かれています。 ラオスに限らず、インドシナでは仏教の伝来以前からあった土着の精霊信仰が残っており、人間には32の魂(クワン)が宿っていると考えられています。クワンは、新年や誕生、結婚、就職、旅行などの節目の時に体外に出ようとしますが、クワンが体外に出るとその人間は不幸になるので、クワンが出ないように(あるいはクワンを呼び戻す)儀式を行う必要があります。 それが、バーシー・スー・クワンです。バーシーとは手首に巻きつける白い木綿の糸(ヴィエンチャンでは黄色、ピンク、オレンジ色なども使われるそうです)のことで、人々は、お互いに相手の手首にバーシーを結びクワンに守って貰えるよう祈りを捧げます。切手に描かれているのは、まさにバーシーを結びつけている場面です。 なお、切手の背後に置かれている捧げものは“パー・クワン”と呼ばれているもので、式台の中央にはバナナの葉と各種の花で飾った塔を置き、その周囲に米、お菓子、果物等が飾られています。儀式の後、それらは、参加者に振舞われます。 新年度・新学期のスタートとしては、ちょっと時間がたってしまいましたが、この1年皆様に幸ありますようにということで、こんな切手をご紹介したという次第です。 * システムの不具合で画像がなかなかアップできず、更新が遅くなりま、ご愛読者の皆様にはご迷惑をおかけしました。この場をお借りして、お詫び申し上げます。 ★★★ ポスタル・メディアと朝鮮戦争 ★★★ 4月19日(土)14:00から、東京・水道橋の日本大学法学部三崎町キャンパス本館2階 第2会議室(以前ご案内していた会場から変更になりました)にて開催のメディア史研究会月例会にて、昨年(2013年)夏、バンコクで開催された世界切手展<Thailand 2013>に出品した“Korea and the Cold War 1945-1953”の内容を中心に、切手や郵便物などによって朝鮮戦争とその時代を再構成しようとする試みについてお話しします。 なお、メディア史研究会はまったく自由な研究会で、会員以外の方でも気楽にご参加いただけますので(もちろん、無料)、よろしかったら、ぜひ、遊びに来てください。 ★★★ 講座「世界紀行~月一回の諸国漫郵」のご案内 ★★★ 東京・江東区亀戸文化センターで、5月から毎月1回、世界旅行の気分で楽しく受講できる紀行講座がスタートします。美しい風景写真とともに、郵便資料や切手から歴史・政治背景を簡単に解説します。受講のお楽しみに、毎回、おすすめの写真からお好きなものを絵葉書にしてプレゼントします! 詳細は、こちらをご覧ください。 ★★★ 内藤陽介の最新作 『蘭印戦跡紀行』 好評発売中! ★★★ 日本の兵隊さん、本当にいい仕事をしてくれたよ。 彼女はしわくちゃの手で、給水塔の脚をペチャペチャ叩きながら、そんな風に説明してくれた。(本文より) 南方占領時代の郵便資料から、蘭印の戦跡が残る都市をめぐる異色の紀行。 日本との深いつながりを紹介しながら、意外な「日本」を見つける旅。 出版元特設ページはこちらです。また、10月17日、東京・新宿の紀伊國屋書店新宿南店で行われた『蘭印戦跡紀行』の刊行記念トークの模様が、YouTubeにアップされました。よろしかったら、こちらをクリックしてご覧ください。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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