2013-05-15 Wed 12:01
きょう(15日)、ベルギーのブリュッセルでフランスと欧州連合(EU)を共同議長として、マリ支援国会合が開催されます。というわけで、マリの切手の中から、ブリュッセルに関係するものということでこの1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1973年9月17日に発行された“アフリカン・ウィークス”の切手です。イベント名の原語(フランス語)は“QUINZANE AFRICANE”ですが、この“QUINZANE”は、辞書的に言うと「15日もしくは当日を含む2週間」という意味です。日本語や英語にはない概念ですので訳すのが難しいのですが、スコット・カタログなどでは、とりあえず“weeks”という訳語を当てているので、僕もこれに従いました。 アフリカン・ウィークスは、アフリカ諸国の文化を広く紹介し、アフリカに対する理解を深めようというイベントで、切手には、アフリカの象徴としての仮面と、ブリュッセルの象徴としての市庁舎を組み合わせたデザインになっています。ちなみに、この時のアフリカン・ウィークスは9月15日から30日まで行われましたが、切手の発行はイベント3日目の17日です。おそらく、15日が土曜日だったので、土日を避けて月曜日の発行にしたのでしょう。 さて、マリ支援国会合は、今年(2013年)1月29日、アフリカ諸国に加え、欧米諸国や日本も参加して、エチオピアのアディスアベバで開催されました。このときの会合では、参加国や国際機関などからそれぞれ支援が表明され、マリにおけるAFISMAの軍事作戦や人道支援に対して、総額4億5,500万ドル以上の拠出が合意されたと伝えられています。 わが国からは松山政司外務副大臣が参加。マリ北部をはじめとしたサヘル地域におけるテロとの戦いを強化すべく国際社会に対してアフリカ諸国の反テロ活動への支援を呼び掛けるとともに、日本政府として、難民支援やPKO訓練センター支援など、ガバナンス・治安強化などの分野で新たに1億2000万ドルの拠出を検討していると表明しました。ちなみに、わが国は昨年(2012年)、サヘル地域に対して6300万ドルを支援しています。 今年1月のフランスの軍事介入の後、北部の主要都市は3月に政府側に奪還されましたが、トゥンブクトゥやガオでは、現在も断続的に戦闘が勃発、緊迫した状況が続いています。今回の会合は、7月に予定されている大統領選挙や国連のPKO派遣などを控えてのもので、より具体的な討議が行われるものと思われます。 なお、昨年来のマリ情勢については、拙著『マリ近現代史』でも詳しくフォローしておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。 ★★★ 内藤陽介の最新作 ★★★ 『マリ近現代史』 北アフリカ・マリ共和国の知られざる歴史から混迷の現在まで、 切手・絵葉書等で色鮮やかに再現したオールカラーの本格的通史! amazon、e-hon、hontoネットストア、Honya Club、JBOOK、7ネット・ショッピング、紀伊國屋書店、版元ドットコム、ブックサービス、文教堂、丸善&ジュンク堂書店、楽天ブックスなどで好評発売中! ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★ 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。開催日は6月4日、7月2日、7月30日、9月3日(原則第一火曜日)で、時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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