fc2ブログ
内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
<!-【↓2カラムテーブルここから↓】-->
 戦場のメリークリスマス
2013-01-16 Wed 12:09
 「愛のコリーダ」「戦場のメリークリスマス」などで知られる映画監督の大島渚さんが、きのう(15日)、亡くなりました。享年80歳。謹んでご冥福をお祈りします。というわけで、「戦場のメリークリスマス」にちなんで、きょうはこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

         板門店・停戦監視団葉書

 これは、朝鮮戦争休戦後の1953年12月、中立国停戦監視委員会のメンバーがスイス宛に差し出した葉書です。葉書には“Pnmunjom(板門店)”という差出地の書き込みがあり、差出の日付は12月6日です。その後、翌7日にアメリカの野戦局を経て、スイスまで届けられました。文面には、クリスマスと新年を祝う文言として、“Weihnachtsfest und ein glückliches Neues Jahr”とも書き込まれており、まさに“戦場からのメリークリスマス”というわけです。なお、絵葉書の絵面は下の画像のような感じで、クリスマスとは全く関係ありませんでした。

         板門店・クリスマスカード(裏面)

 1953年7月27日、朝鮮戦争の休戦協定が調印されたことを受けて、板門店内には、同年10月以降、“中立国監視委員会”と“軍事停戦委員会”の本会議場が設置され、停戦協定遵守の監視を行うことになりました。なお、軍事停戦委員会の本会議場は韓国(国連)側、中立国監視委員会は北朝鮮側の施設となっています。

 中立国停戦監視委員会は、スイス、スウェーデン、チェコスロバキアポーランドの4ヵ国で構成されていました。このうち、チェコスロバキアとポーランドは(少なくとも形式的には)朝鮮戦争に関しては中立という立場を取っていましたが、1955年にワルシャワ条約機構に加盟したため、名実ともに中立国ではなくなりました。なお、両国の共産主義政権は1989年の革命で崩壊しましたが、いずれも1999年に北大西洋条約機構(NATO)に加盟したため、再び“中立国”ではなくなり、さらに、現在では両国とも委員会そのものから脱退。現在の委員会メンバーはスイスとスウェーデンだけになっています。

 朝鮮戦争と郵便に関しては、以前、拙著『韓国現代史』でもある程度まとめてご紹介したことがあるのですが、今回ご紹介の葉書も含め、同書の刊行後に入手したマテリアルもいろいろありますので、そろそろ、アップグレード版を作りたいと思っています。ことしは朝鮮戦争の休戦から60周年という節目の年でもありますし、なんとか実現したいですね。


 ★★★ テレビ出演のご案内 ★★★

 テレビ朝日 2013年1月19日(土) 18:30~ 「雑学家族」

 今回は「郵便」の特集で、内藤がゲスト出演して“切手の面白さ”をウンチクとともにお話します。ご視聴可能な地域の皆様は、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。なお、放送番組の常として、大事故・大事件など突発的な事情により、番組の内容・放送時間等が変更になる可能性もありますが、予めご了承ください。(番組HPはこちらです)


 ★★★★ 第1回ヨーロッパ切手展のご案内 ★★★★

         ヨーロッパ切手展

 今月19・20日(土・日)の両日、東京・目白駅の切手の博物館にて「第一回ヨーロッパ切手展」が開催されます。今回のお題は“黒海”で、内藤も、北カフカース(コーカサス)を題材としたミニ・コレクションを展示します。競争展ではないので、テーマティクないしは郵便史の作品としてルールに沿ってきっちりまとめたものというよりも、北カフカースに関するマテリアルをいろいろとご紹介するという気楽な内容です。僕以外のコレクションはかなり見ごたえのある内容になっておりますので、よろしかったら、ぜひ遊びに来ていただけると幸いです。


 【世界切手展BRASILIANA 2013のご案内】

 僕が日本コミッショナーを仰せつかっている世界切手展 <BRASILIANA 2013> の作品募集要項が発表になりました。国内での応募受付は2月1―14日(必着)です。詳細はこちらをご覧ください。


 ★★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★★

         『喜望峰』表紙画像
 
  『喜望峰:ケープタウンから見る南アフリカ』

  いままでなかった喜望峰とケープタウンの物語
  美しい風景とウンチク満載の歴史紀行!!     

 アマゾンセブンネット版元ドットコム楽天ブックスe-honhmvhontoJBOOKlivedoor BOOKSなどで好評発売中!
 
 なお、本書をご自身の関係するメディアで取り上げたい、または、取り上げることを検討したい、という方は、是非、ご連絡ください。資料を急送いたします。

 
 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★

 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。
別窓 | 米国:トルーマン時代 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<< マリとアルジェリアの連帯 | 郵便学者・内藤陽介のブログ |  144年に1度の大祭スタート>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
<!-【↑2カラムテーブルここまで↑】-->
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/