2011-12-11 Sun 22:45
きのう(10日)、ロシア各地で4日に行われた下院選挙で不正があったと抗議する大規模な反政府・反プーチンデモが行われました。というわけで、きょうはこんな切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1947年にソ連が発行したメーデーの記念切手で、クレムリンを背景にスターリンの肖像を掲げ持つ官製デモの様子が描かれています。昨日のモスクワでは、クレムリン周辺を中心に主催者発表で約6万人が集まったそうですが、この切手並みの人出だったんでしょうかねぇ。まぁ、プーチン閣下としては、この切手同様、自分の肖像を掲げた政府支持のデモが望ましいということになるのでしょうけれど…。 さて、今回の選挙に関しては、与党・統一ロシアが過半数を維持したものの、大幅に議席を減らし、プーチン体制に対する国民の不満が浮き彫りになりましたが、あわせて、与党が得票の水増しを試みた不正行為があったとの報告が相次いでいます。もっとも、常識的に考えれば、これまでは公正な選挙を行っていたプーチン体制が今回に限って不正選挙を行ったとは考えにくいので、彼らの権力基盤が弱ってきたことによって、以前は問題にならなかった選挙の不正も明らかになったと見るのが自然でしょう。 いずれにせよ、不正選挙に対する国民の抗議行動が強権体制を転覆させるきっかけになったという事例は、歴史上、枚挙に暇がないですからねぇ。来年3月、プーチン当選で鉄板とみられていたロシアの大統領選挙も、ひょっとすると、大番狂わせがあるかもしれません。『ハバロフスク』の著者としても、注目しておいた方が良さそうですな。 *昨日放送のTBSラジオ『鈴木おさむ 考えるラジオ』をお聞きいただきました皆様、この場をお借りして改めてお礼申し上げます。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ 年賀状の戦後史 角川oneテーマ21(税込760円) 日本人は「年賀状」に何を託してきたのか? 「年賀状」から見える新しい戦後史! ★ TBSラジオ・ニュース番組森本毅郎・スタンバイ(11月17日放送)、11月27日付『東京新聞』読書欄、『週刊文春』12月1日号、『週刊東洋経済』12月3日号、12月6日付『愛媛新聞』地軸、同『秋田魁新報』北斗星、11日付『京都新聞』で紹介されました。 amazon、bk1、e-hon、HMV、livedoor BOOKS、紀伊國屋書店BookWeb、 セブンネットショッピング、楽天ブックスなどで好評発売中! ★★★ 好評既刊より ★★★ ハバロフスク(切手紀行シリーズ④) 彩流社(本体2800円+税) 空路2時間の知られざる欧州 大河アムール、煉瓦造りの街並み、金色に輝く教会の屋根… 夏と冬で全く異なるハバロフスクの魅力を網羅した歴史紀行 シベリア鉄道小旅行体験や近郊の金正日の生地探訪も加え、充実の内容! amazon、bk1、e-hon、HMV、livedoorBOOKS、紀伊國屋書店BookWeb、セブンネットショッピング、楽天ブックスなどで好評発売中! |
内藤先生。元記事とは直接関係ないコメントをお許しください。
ハバロフスク読みました。通信文を紹介しているシベリア俘虜郵便はがき、たいへんに参考になり、ありがとうございます。日本の官製葉書を使って、俘虜葉書復信の代用にしているものを見かけますが、これらは本当に届いたのだろうかと疑問に思っていました。実際に届いているのですね。 本の中で紹介されている俘虜葉書の差出し人の中に、村山常雄氏のシベリア抑留死亡者名簿に記載された人はいないようなので、文面を紹介されている人を含めて、全員が帰国しているはずです。シベリア抑留死は、初年度に集中しているので、俘虜葉書を出した人の死亡率は、それほど高くなかったと思います。 #2084 コメントありがとうございます
・cccpcamera様
コメントありがとうございます。 村山さんのリストは僕もチェックしました。おっしゃる通り、現在、郵趣界に残されている葉書の差出人の方でリスト掲載の方はおられないようで、そのことを知った時にはちょっと驚きました。その理由として、死亡者が初年度に集中していたとのご指摘は、なるほどと得心のいくもので蒙を啓かれた思いです。 今後とも、色々とご教示ください。 |
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