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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 秋田犬80年
2011-07-31 Sun 20:47
 1931年7月31日に秋田犬が、日本件としては初めて国の天然記念物に指定されてから、きょうでちょうど80年です。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

        秋田犬

 これは、1953年(昭和28)8月25日に発行された“秋田犬”を描く2円切手で、わが国初の本格的な犬切手としても知られる1枚です。

 国の天然記念物に指定されている6つの日本犬種のうち、唯一の大型犬種で、忠犬ハチ公のエピソードでも有名です。

 秋田犬の祖先犬は秋田犬は秋田マタギと呼ばれるマタギ犬で、江戸時代には佐竹氏支配下の久保田藩で闘犬が奨励されたこともあり、マタギ犬と土着犬などの交配により、体が大きく強い犬として、現在の秋田犬の原種が作られました。しかし、明治末の1911年に秋田県内で闘犬が禁止されたほか、洋犬の人気が高まったこと、そして、そうした洋犬との雑種が進んだことから、1945年の終戦の時点では、血統の正しい秋田犬は十数頭しか残っていませんでした。その後、占領中に米兵が好んだことや戦後の混乱期に番犬の需要が高まったことなどから復活しました。ちなみに、1937年に来日したヘレン・ケラーは秋田犬を気に入り、彼女に贈られた「神風号」がアメリカに渡った最初の秋田犬となったというエピソードがあります。どうやら、秋田犬の風貌というのはアメリカ人好みということのようすな。

 さて、切手が発行された1953年の郵便料金体系(書状の基本料金は10円、葉書料金は5円)では、第5種郵便の植物種子等の基本料金(100グラムまで)が2円という項目がありますが、あまり利用者が多いとはいえません。このほか、第3種郵便(定期刊行物)のうち月3回以上発行される新聞・雑誌の基本料金(100グラムまで)が1円となっており、2円というのは2倍重量の100-200グラムに相当しています。さらに1961年(昭和36)には、第3種郵便物のうち月3回以上発行のものの基本料金が値上げされ、2円になっている。

 しかし、この切手の用途としては、重量便の増料金や書留便の保険料などによって端数が生じた場合の調整用に用いられることが多く、数回にわたる郵便料金の改正にもかかわらず、昭和末まで、秋田犬の2円切手は長年にわたって製造・使用が続けられました。なお、1966年に万国郵便連合の規定で切手上にローマ字で国名を表示することが決められた後も、1953年以来のローマ字の入らないデザインのものがそのまま製造されました。

 なお、1989年4月、消費税導入に伴い、書状の基本料金が62円(本体料金は60円のまま消費税相当の2円が上乗せされた)となると、端数の2円切手の需要が急増。これにあわせて、基本的なデザインはそのままに、刷色を変更し、“NIPPON”の文字を入れた切手が発行されています。


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