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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 間違った列車
2010-07-20 Tue 12:10
 きのう(19日)未明、インド東部・西ベンガル州サインティア(州都コルカタの北約200キロ)で、駅に停車中の夜行列車に別の夜行列車が衝突し、少なくとも乗客ら60人が死亡、170人以上が負傷する大事故がありました。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、負傷された方にはお見舞い申し上げます。というわけで、きょうは、インドの鉄道がらみのマテリアルの中から、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      wrong train(表)     wrong train

 これは、1901年5月にバハワルプール(現在のパキスタン・パンジャブ州の南東)宛に差し出された英領インドの切手つき封筒ですが、宛先とは別方向行きの列車の中から差し出されたため、“POSTED IN WRONG TRAIN”(間違った列車で投函された)との三角形の印を押して途中でおろされ、あらためて、正しいバハワルプール宛に運ばれたものです。左の画像が表面の全体像、右が裏面に押された印の部分の切り抜き画像です。日付を見ると、5月10日の投函で12日にはバハワルプールに到着していますから、列車を“間違った”ことによる影響は大したことはなかったといえそうです。

 インドはアジア最古の鉄道国ですが、現在でも世界有数の鉄道大国として知られています。1951年以降、インドの全鉄道は国有化され、現在はインド政府の鉄道省の監督下に置かれていますが、その総延長は6万3327キロ(米露加中に次いで世界5位)、駅の数は6909にも及んでいます。1日あたりの乗客は約1800万人、貨物は200万トンというのも相当な規模で、160万人が働いています。

 これだけ規模が大きくなれば、その分、事故の件数が増えるのもある程度はやむを得ないのでしょうが、インドではしばしば大きな鉄道事故が起きています。すなわち、当局の発表した大規模鉄道事故の件数は、2009-10年度には少なくとも100件、2008-09年度には115件となっており、鉄道の安全性という点では大いに不安が残ります。この中には、ことし5月、やはり西ベンガル州で反政府極左勢力によるテロとみられる列車事故で約140人が亡くなったというようなケースもありますが、事故の大半は、テロではなく、鉄道側の人為的ミスによるものが大半なのだとか。

 インドの鉄道職員の方には、乗客の命を預かっているという自覚を持って、利用者が“間違った列車”に乗って後悔することのないよう、くれぐれも安全運行をお願いしたいものですな。

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