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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 パリへ帰った涅槃仏
2010-07-14 Wed 22:43
 今日はパリ祭の日です。というわけで、昨年に続き“仏”の掛詞で、フランスがらみの仏像切手のなかから、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      ラオス・涅槃仏カバー

 これは、1958年にラオスの首都・ビエンチャンからパリ宛に差し出された航空便で、1953年に発行の涅槃仏の切手が貼られています。ラオスが1953年に発行した航空切手の6種セットはいずれも仏像を取り上げており、パリで印刷されました。したがって、今回のカバーに貼られている切手は、パリからビエンチャンに運ばれた後、パリへと里帰りしてきたといってよいでしょう。

 ブッダガヤで悟りを得た釈迦は、古代インドの最高神ブラフマーの勧め(梵天勧請)により、自らの悟りを人々に説いて回ることを決意。各地で説法を行って多くの弟子たちを獲得していきました。

 しかし、80歳を過ぎた釈迦は旅の途中で病に倒れ、沙羅双樹の下で入滅。これにより、彼は、生死の輪廻から解放(解脱)された、完全な涅槃の境地に入ったとされました。

 涅槃像は釈迦入滅の状態を表現したもので、“寝釈迦”、“寝仏”などとも呼ばれることもあります。右手を枕とするか、もしくは頭を支える姿で、頭は北向き、顔は西向きとされるのが一般的です。

 なお、今回ご紹介のマテリアルをはじめ、涅槃仏を取り上げた切手については、拙著『切手が伝える仏像』でもいろいろとご紹介しておりますので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。
      
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