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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 バーミヤーンの大仏
2009-08-20 Thu 12:17
 2001年のターリバーン(タリバン)政権崩壊後、5年ぶり2度目となるアフガニスタン大統領選挙の投票がはじまりました。といわけで、きょうはアフガニスタンといえば、やっぱりこれだろうという1枚です。(画像はクリックで拡大されます)

      バーミヤン(単色)

 これは、1951年にアフガニスタンが発行した20プル切手で、いまはなきバーミヤーン(バーミヤン)の大仏が取り上げられています。

 バーミヤーンはカブールの北西約240 km、アフガニスタンのほぼ中央部に位置する都市で、西暦1世紀からバクトリアによって近郊に仏教の石窟寺院が開削され始めました。有名な大仏は5世紀から6世紀にかけて彫られたもので、周囲の壁画などから弥勒菩薩像と考えられています。また、630年にこの地を訪れた玄奘(いわゆる三蔵法師ですな)は、大仏が金色に光り輝き、僧院には数千人の僧が居住していたと記録しています。

 その後、この地域はムスリムの支配下に入り、一部は略奪を受けたりもしましたが、多くの壁画は残され、19世紀以降、この地を探検した西洋人や日本人によって、その美術的価値が世界的に高く評価されるようになりました。しかし、2001年には、当時アフガニスタンを実効支配していたターリバーン政権の手により爆破され、現在では国際支援による修復作業が進められているのはご存じのとおりです。

 なお、バーミヤーンの大仏を取り上げたマテリアルというのは、今回ご紹介の切手以外にもいろいろあるのですが、それらについては拙著『切手が語る仏像:意匠と歴史』でも取り上げていますので、機会がありましたら、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。

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