2009-08-05 Wed 08:17
早いもので、今回のソウル滞在も最終日となりました、30日から始まったアジア国際切手展<PHILAKOREA2009>も昨日(4日)で閉幕し、きょうはお昼前の便で東京に戻ります。というわけで、無事に日本にたどりつけるよう、今回の出品作品“Greater East Asia after Japanese Withdrawal”のなかから、こんなモノを持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、終戦10日前の1945年8月5日、朝鮮半島南部の麗水から仙台宛てに差し出された葉書です。“朝鮮隼第9877部隊”からの差出で、“軍事郵便“の表示の入ったはがきが使われていますが、朝鮮は終戦まで“戦地”ではありませんので、通常の有料郵便物として扱われています。 この葉書が差し出された戦争末期は、日本側は完全に制海権を失っており、玄界灘をわたって朝鮮半島から日本本土に郵便を届けるのも容易なことではありませんでした。このため、この葉書も機会をうかがっているうちに終戦となってしまい、終戦後、連合国の占領下で検閲を受けた後に名宛人に配達されたものと思われます。ちなみに、金魚鉢型の検閲印の上部にはCCDJ-109との検閲担当者のコード番号の印が入っていますが、末尾のJは担当者が日本人であることを示しています。 偶然ではありますが、きょうはこの葉書の消印と同じ8月5日です。戦前と戦後をまたいでもきちんと宛先まで届いたこの葉書にあやかって、僕も無事日本に帰りつきたいものです。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ 異色の仏像ガイド決定版 全国書店・インターネット書店(アマゾン、bk1、7&Yなど)・切手商・ミュージアムショップ(切手の博物館・ていぱーく)などで好評発売中! 『切手が伝える仏像:意匠と歴史』 彩流社(2000円+税) 300点以上の切手を使って仏像をオールカラー・ビジュアル解説 仏像を観る愉しみを広げ、仏教の流れもよくわかる! |
|
||
管理者だけに閲覧 | ||
|
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
|