2009-02-22 Sun 15:40
まずはこの切手と写真を見ていただきましょう。(以下、画像はクリックで拡大されます)
切手は、2007年に韓国が発行した明洞のソウル中央郵便局新庁舎落成記念のもので、右側の写真は昨年末のソウル滞在時に実際に撮影したものです。 このときはソウルには観光ではなく仕事で行ったのですが、合間を見つけて新装なった中央郵便局と、その地下の展示スペース“切手文化の世界”を覗いてきました。 新たに作られた展示スペースだけに、規模は小さいのですが、全体的にデザインは洗練されていて、CG映像を使った韓国の切手・郵便史の解説コーナーやクイズ・コーナーなどがあって、切手を集め始めたばかりの人やこれから集めようという人も十分に楽しめるよう工夫されています。場所柄、デートスポットとして使うもよし、社会科見学の小学生を連れてくるもよし、という感じです。 ただし、ここの展示はただ単に“楽しい切手”というだけではなくって、こんなモノもしっかりありました。 これは、切手パズルのパネルのうち、2004年に発行の竹島切手バージョンのものです。左はその全体像で、右は拡大図。それぞれの切手の部分がいくつかに分割されていて、回転させて絵合わせとして遊ぶというスタイルになっています。 また、切手で見る韓国というような地図パネルもあったのですが、こちらも こんな感じで、しっかりと竹島は韓国領というような主張が展開されています。 このように、韓国側はことあるごとに“独島(竹島の韓国名)は韓国領だ”ということを宣伝し、国民にも刷り込んでいるという様子がうかがえます。 韓国側は“(彼らの言う)独島”を実効支配(我々から見れば単なる不法占拠ですが)しているという実績を踏まえ、その領有権を国際社会に向かって声高に訴え続け、また、国民に対しても徹底して教育しているわけですが、これは、彼らの主張の当否は別として、領土問題を抱える国としては、ある意味で当然の対応といってよいでしょう。少なくとも、国際社会というのは基本的には弱肉強食の世界ですから、沈黙は金という日本的な価値観は全く通用しません。一方が声高に主張し、他方が黙っている(ようにみえる)という状況では、声高に主張している方の言い分は、それがどんなに理不尽なものであろうとも(というよりも、じっさいには、理不尽であるからこそ、彼らは声高に叫ぶのですが)、黙っている(ようにみえる)側を圧倒してしまいます。 今日(2月22日)は島根県が制定した“竹島の日”ですが、そのことを1面で掲載した全国紙が何紙あったのか、あるいは、トップ(ないしはそれに近い扱い)で報じたニュース番組がいくつあったのか、正確な数字は確認できていないのですが、僕の知る限りでは、そういう報道は全体の中ではごくごく少数派でしかないようです。そもそも、“竹島の日”があるということを認識している日本人がどれだけいるのか、それさえも、かなりお寒い状況じゃないでしょうか。 国民は無関心、政府もあまりやる気がない(ようにみえる)というような現状では、我々が望むようなかたちでの竹島問題の解決など、夢のまた夢でしかありません。かつてマリー・ローランサンは「いちばん哀れなのは忘れられた女」と詠いましたが、これは領土問題についてもそのまま当てはまるのではないかと思います。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ 誰もが知ってる“お年玉”切手の誰も知らない人間ドラマ 好評発売中! 『年賀切手』 日本郵趣出版 本体定価 2500円(税込) 年賀状の末等賞品、年賀お年玉小型シートは、誰もが一度は手に取ったことがある切手。郷土玩具でおなじみの図案を見れば、切手が発行された年の出来事が懐かしく思い出される。今年は戦後の年賀切手発行60年。還暦を迎えた国民的切手をめぐる波乱万丈のモノ語り。戦後記念切手の“読む事典”<解説・戦後記念切手>シリーズの別冊として好評発売中! 1月15日付『夕刊フジ』の「ぴいぷる」欄に『年賀切手』の著者インタビュー(右上の画像:山内和彦さん撮影)が掲載されました。記事はこちらでお読みいただけます。 もう一度切手を集めてみたくなったら 雑誌『郵趣』の2008年4月号は、大人になった元切手少年たちのための切手収集再入門の特集号です。発行元の日本郵趣協会にご請求いただければ、在庫がある限り、無料でサンプルをお送りしております。くわしくはこちらをクリックしてください。 |
#1393 マスコミにも責任にあり
国民が無関心の最大の原因は、勿論政府にありますが、マスコミも一種の共犯者でしょう。特に大手マスコミである朝日、読売、岩波などの責任は重大です。彼らのソ連、中共、北朝鮮、北ベトナムといった共産圏に対する礼賛報道によって、いかに国民がミスリードされてきたことが冷戦の終結によって証明されました。この国民をミスリードするということは韓国についても同じです。80年代頃までの韓国報道と言えば軍事独裁政権の非難か、独裁と戦う民主主義のヒーロー金大中という事実とはかけ離れた報道ばかりだったとおもいます。もっとも彼らにしてみれば北朝鮮を擁護するためにはこういう報道の仕方しか無かったともいえますが
さて、問題は竹島ですが、竹島を侵攻占領したの韓国です。彼らが礼賛してやまない北朝鮮でありません(領有権の主張は同じですが)本来なら「軍事独裁政権の正体みたり。」として格好の攻撃材料のはずですが、なぜか触れようとしません。いずれ北主導で南北統一されれば必然的に北のものになるから、報道を控えたほうが、得策と思っていたのかもしれません。また、彼らには反日という、もうひとつの顔がありますので、そちらの方を優先しているのかもしれません。 私は政府が意識して黙っているとは思っていません。
と言うのも、現在外交における日本最大の悲願は 国連の常任理事国入だと思っているからです。 幸い竹島は無人島ですし、国民に直接の被害が出ていません。 故にこの問題は後回しでもいいと考えているのではないでしょうか。 #1399 コメントありがとうございます
皆様、コメントありがとうございます。
・一匹狼様 この件に限らず、戦後の歴史におけるマスコミの罪は重いと思います。書きだすと長くなるのですが、現在、“若者の右傾化”と呼ばれている現象の多くは、多分に、マスコミや教師たちはウソをついてきたじゃないか、それなのに、どうしてきちんと謝罪しないのか、という面があるのではないかと思います。この点については、以前、こんなコラム(http://www.inose.gr.jp/mailmaga/mailshousai/2007/070809.html)を書いてみたことがありますので、機会がありましたらおy見いただけると幸いです。 ・(名無し様:次回からはHNで良いので記名にしてくださいね) いわゆる“そろばん勘定”ということでいえば、竹島問題の優先順位が低くなるのはやむを得ないでしょう。そのことは僕も否定しません。 ただ、曲がりなりにも自国の領土と主張している場所が他国の軍隊に不法占拠されているにもかかわらず、それをそのまま放置しているということは、国家の体面という点で、やはり、まずいでしょう。現実に竹島を取り戻せるかどうかということとは別の次元で、竹島が日本の領土であるということははっきりと主張し続けなければいけないと思います。 なお、国民の直接の被害という件ですが、島根・鳥取の漁業関係者が拿捕されたり、漁を制限されたり、という被害もあることは忘れてはならないと思います。 コラム読ませてもらいました。有難うございました。
右傾化という言葉ですが、昔は選挙に敗北するたびに共産党が使っていた常套句でしたが、最近は自らの過ちを指摘され、それにまともに反論できないマスコミの業界用語になった感じです。「偏狭なナショナリズム][反動」[逆コース]これらの言葉とおなじように、一般国民にはまったく通じない言葉です。彼らにかかると、私などは右傾化どころか[極右」呼ばわりされるかも(笑) マスコミ風[右傾化]とは [戦後、左に急ハンドルを切ったハンドルをニュートラルに戻そうとする動き」反日左翼マスコミは、これを指して右傾化と言っていると、私は解釈しています。 #1404 コメントありがとうございます
一匹狼様
僕もパートタイム講師をやっている大学の授業で話をすると、学生諸君から「そんな右翼の過激派のようなことを言って大丈夫ですか?」などと心配されます。まぁ、ある意味で、戦後教育の成果(笑)なんでしょうな。 #1409 正しく正確な知識を持ってください
「幸い竹島は無人島ですし、国民に直接の被害が出ていません。」との認識は誤っていると思います。確かに定住する人はいませんが、竹島周辺の海域は好漁場であり、広大な排他的経済水域を持っています。
しかし、韓国の不法占拠が続き、暫定水域なるものを設定せざるを得ず、韓国漁船の暴虐を止められずにいます。国民に直接の被害が出ていないなどとは言えない状況にあるのです。「竹島の日」制定の推進力となったのが漁業者であることも知っておいていただければと思います。 歴史的にも国際法的にも韓国には権限がありません。やっと我が外務省は重い腰をあげて広報活動に力を入れ始めました。論点を10に整理してパンフレットを作成しました。ほんの入り口にすぎないですね。もっと力を入れてくれないと。それはともかく、このパンフレット自体はよくまとまっているので一読されることをお勧めします。 #1414 コメントありがとうございます
竹島は日本領様
外務省のパンフレットなどは小中学校にもきちんと配布して、生徒たちに正確な事実を理解してもらいたいものですね。日教組の教師が抵抗するなら、こういうときこそ、保護者の有志がゲストで特別講義をしてもよいと思います。 |
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