2008-04-24 Thu 09:36
あす(25日)から、東京・浅草の都立産業貿易センター台東館でスタンプショウ’08がスタートします。というわけで、きょうはスタンプショウ企画展示“世界のねこ切手大集合!”にちなんで、この切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、“近代美術シリーズ”の第3集として、1979年9月21日に発行された菱田春草の「黒き猫図」です。 文化人切手にも取り上げられた菱田春草は、1874年9月21日(切手の発行日は彼の誕生日です)、長野県飯田の出身。はじめ結城正明に師事していましたが、1890年、東京美術学校に入学し、橋本雅邦・川端玉章らの指導を受けました。美術学校の卒業後、一時は母校の助教授となりましたが、1895年の日本美術院の創立に参加。西洋絵画の技法を大胆に取り入れ、日本画の近代化に尽力しました。1903年、横山大観とともにインドを訪問したほか、1904-05年には岡倉天心、横山大観と欧米を訪問。日本美術を再認識して帰国します。横山大観・下村観山・木村武山らとともに雅邦門下の四天王と称され、活躍が期待されましたが、1911年、病気のため37歳という若さで亡くなりました。 「黒き猫図」は、彼の代表作 の一つで、亡くなる前年の1910年、第4回文展に出品されました。当時、春草は眼病を患っており、それまで出品を考えて作成していた作品を放棄した後、わずか1週間で「黒き猫図」を完成させたそうです。現在は、永青文庫の所有で熊本県立美術館に寄託されており、重要文化財に指定されています。 さて、スタンプショウ会期中、あさって26日(土)13:00からは、会場内特設スペースにて、拙著『近代美術・特殊鳥類の時代』の刊行を記念してトークイベントを行います。会場にて拙著をお買い求めいただきました方には、今日ご紹介の「黒き猫図」と「黒船屋」の2枚の切手をあしらった特製ポストカードをプレゼントする予定です。ポストカードに取り上げられている切手はいずれも額面が50円ですから、これを貼って、会場内の臨時出張所でネコをデザインした日替わり小型印を押して楽しんでいただくのも一興かと存じます。(数に限りがありますので、万一、品切れの際はご容赦ください。) 皆様のお越しを心よりお待ち申しております。 雑誌『郵趣』を読んでみませんか 無料でサンプルをお送りしております。くわしくはこちらをクリックしてください。 |
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