2016-11-18 Fri 21:12
現存最古とみられるモーセの「十戒」を刻んだ石板が、きのう(17日)、米国のオークションに出品され、85万ドル(約9400万円)で落札されました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1981年にイスラエルが発行した『出エジプト記』の切手のうち、シナイ山に登ったモーセが、「十戒」(の刻まれた石板)を授けられ下山する場面が描かれています。タブの部分には、そのことを示す『出エジプト記』第34章29節の文言「(モーセが山を降りて来たとき)その手に二枚のあかしの石の板を持っていた」が記されています。 さて、現在の一般的なイメージでは、今回ご紹介の切手に描かれているように、「十戒」の石板は、上部がかまぼこ型で、その下に長方形がついている形となっていますが、ユダヤ教やキリスト教の古い時代の古い石板は、今回落札された石板(下の画像)のように、丸みのない長方形でした。上部がかまぼこ型になったのは、中世以降のことで、レプリカとオリジナルの区別を容易にするためとの配慮によるものだそうです。 今回、落札された石板は大理石製で、縦横61センチ程度の四角形で、重さは52キロ。1913年、オスマン帝国支配下のパレスチナでの鉄道駅建設の際、ヤブネ近郊で発見されました。「十戒」の文言はサマリア語で刻まれていますが、その文字の形状からローマ帝国時代後期またはビザンツ帝国時代の紀元300-500年前後と推測され、それゆえ、現存最古の「十戒」と認定されています。 石板の落札者は明かされていませんが、石板を出品したリビング・トーラー博物館(ニューヨーク)は、落札者が石板を公共の場に展示することを売却の条件としているため、遠からず、この石板はどこかで展示されることになるはずです。それが、どこになるのか、そちらもちょっと気になりますね。 ★★★ ブラジル大使館推薦! 内藤陽介の『リオデジャネイロ歴史紀行』 ★★★ 2700円+税 【出版元より】 オリンピック開催地の意外な深さをじっくり紹介 リオデジャネイロの複雑な歴史や街並みを、切手や葉書、写真等でわかりやすく解説。 美しい景色とウンチク満載の異色の歴史紀行! 発売元の特設サイトはこちらです。 * 8月6日付『東京新聞』「この人」欄で、内藤が『リオデジャネイロ歴史紀行』の著者として取り上げられました! ★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインよろしくポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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