2007-09-24 Mon 11:56
福田康夫元官房長官が自民党の新総裁に選ばれました。明日、国会で首班指名だそうです。群馬県出身の総理は4人目ということで、群馬県がらみの切手のなかから、こんな1枚を持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1980年10月27日、近代美術シリーズの第8集として発行された竹久夢二の『黒船屋』です。この作品は表具屋・彩文堂の飯島勝次郎氏の依頼によって描かれたもので、夢二の最高傑作といわれています。作品名の由来は女性の座っている木箱の文字で、制作を依頼した彩文堂は、この作品にちなんで、1918年4月11日、屋号を黒船屋に改めています。 描かれている女性は、東京美術学校で藤島武二、伊藤晴雨らのモデルをつとめたお葉こと永井カ子ヨとされていますが、1918年10月に別れた内妻・笠井彦乃(夢二の最愛の女性とされる人物)の姿が色濃く投影されているようです。なお、お葉は夢二のモデルとして東京・本郷の菊富士ホテルに逗留していた夢二のもとに通ううちに同棲するようになり、その後、渋谷ならびに世田谷で1925年まで夢二と生活を共にしています。 現在、『黒船屋』は群馬県の竹久夢二伊香保記念館の収蔵品となっており、毎年、夢二の誕生日にあたる9月16日の前後1週間のみ、予約制での公開となっています。ということは、昨日(=23日)までなら、実物を拝みに行くことができたんですねぇ。群馬県からの総理誕生ということで、特別に年内一杯まで公開期間を延長するという粋な計らいをしてくれないかなぁ。 ところで、福田新総裁はその昔、早稲田大学(そういえば、新総裁の出身校ですな)のサークル、スーパーフリーの集団レイプ事件に関して「男は黒豹なんだから。情状酌量ってこともあるんじゃないの?」と発言していたことが、総裁選の直前に報じられていました。マスコミに散々たたかれた「産む機械」発言や「原爆投下はしょうがない」発言は、前後の文脈を読めば、まだ弁護の余地もありますが、“黒豹”発言ってのは流石にちょっとねぇ。普段だったら、フェミニスト団体や左派系の論調を展開する新聞が政治家の資質という点で大騒ぎするはずなのですが、なぜか、今回はあまり騒がれないのが不思議です。 まぁ、話が横道にそれましたが、「黒船屋」の美女は黒猫だから安心して抱いていられるのであって、たしかに、これが黒豹だったらとんでもないことになるよなぁ、と切手を見ながら、ふと思ってしまった内藤でした。 |
#999 この竹下夢二切手を拡大
してみると、女性と猫が実に良く描かれているのが分かりました。通常の切手のサイズでは、やはり物足りないかも知れないと、「サイズの限界」を感じました。
ところで、この切手の初日印はやはり群馬県だったんでしょうか。美術品切手の初日印は、やはり美術品にちなんだ場所(所蔵品のある美術館所在都市局、描かれた場所など)で押されて欲しいと考えました。 #1007 コメントありがとうございます
muraki様
美術関係の切手は、作者の出身地、現在の所在地、作品の舞台など、いろいろな要素があるためか、初日印の指定局を決めるのはひつ筋縄では行かないことも多いようです。で、結局、この切手の場合は東京中央になりました。 |
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