2007-07-01 Sun 00:45
今日は1997年7月1日の香港返還から10周年の日。同時に、東京・目白の切手の博物館特設会場にて開催の「香港返還10周年記念・香港切手展 香港歴史漫郵記」(登録審査員によるワンフレーム展と併催)の最終日でもあります。というわけで、こんなマテリアルをご紹介いたします。(画像はクリックで拡大されます)
![]() これは、英領香港切手の最終使用例です。 中国への香港の施政権返還に伴い、女王の肖像や王冠などの入った英領時代の香港切手は、1997年6月30日で使用禁止となりました。もっとも、郵便物の集配は夕方には終わっていますので、ポストから郵便物を回収する最終便が出た後、6月30日23時59分59秒までの間に投函された郵便物に関しては、英領香港切手が貼ってあっても受け付けないわけにはいきません。 この結果、翌7月1日になって、同日0時をもって発足した中国香港郵政は、一部、英領香港切手の貼られた郵便物を取り扱うことになり、これが、英領香港郵政の正規の使用例としては最終便となりました。この最終便は、ここでご紹介しているように、英領香港切手に、中国香港郵政の7月1日付の消印が押されており、まさに、英領香港から中国香港への移り変わりが記録されたマテリアルといえます。ちなみに、「香港返還10周年記念・香港切手展 香港歴史漫郵記」に出品している僕の作品、A History of Hong Kongでは、このカバーを一番最後に持ってきています。 なお、7月1日以降、英領時代の女王の切手を貼って郵便物を差し出すと、どうなるのか、という点については、以前の記事や拙著『香港歴史漫郵記』をご覧いただけると幸いです。 【展覧会のご案内】 本日7月1日(日)17:00まで、 東京・目白の切手の博物館特設会場にて、拙著『香港歴史漫郵記』の刊行にあわせて「香港返還10周年記念・香港切手展 香港歴史漫郵記」を開催(登録審査員によるワンフレーム展と併催)しております。 展示内容は2004年のアジア国際切手展のオープンクラスに出品して部門最高賞のExcellentメダルを受賞した僕のコレクション、A HISTORY OF HONG KONGと返還以降2006年末までに発行された中国香港切手が中心です。 入場は無料。時間は10:30-17:00で、14:30からは展示解説を行うほか、先着300名様に英領時代の香港切手をプレゼント(残りは僅か。お早目に!)しますので、是非、遊びに来てください。 |
#783 こだわり
このカバーですが、「こだわり」を感じます。復帰後に向けてすでに「女王像」なしの「中性切手」が発行されたにもかかわらず、「女王像」の切手で最終印を押してもらうあたりが、何とも言えない一品です。
時代替わりの一品で思い出したのですが、日本終戦後の「追放切手」の場合、こんな最終カバーが存在するのだろうかと考えてしまいました。 #788 コメントありがとうございます
muraki様
追放切手の場合は、昭和22年8月31日のラストデー・カバーがたくさん作られていますね。ポスト上がりで9月1日の日付の押されたものもあると思うのですが、いままで注意して見ていませんでした。今度探してみます。 |
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