2024-04-19 Fri 07:47
私事ですが、今月16日からルーマニアの首都、ブカレストで開催中の世界切手展<EFIRO 2024>は、きのう(18日)、審査結果が発表され、おかげさまで、僕の作品“Postal History of Auschwitz 1939-1946”(今回は僕自身は現地へは行かず、作品の搬入・搬出はコミッショナーの斎藤環さんにお願いしました)が、金賞を受賞しました。というわけで、今回の出品作品の中から、こんなモノをご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1940年8月25日にアウシュヴィッツ(ポーランド名:オシフィエンチム)からドイツ中東部のヴェルニゲローデ宛に差し出された絵葉書です。 ドイツ占領下のアウシュヴィッツで収容所が開設され、最初の収容者として、タルヌフ(クラクフの東75キロの地点にあるビャワ川沿いの都市)の刑務所から728人のポーランド人捕虜・政治犯が移送されてきたのは1940年6月14日のことで、これに伴い、同年7月から地元住民の立ち退きが始まり、翌1941年春には全住民の退去が完了。1941年5月31日付で、収容所を含む一帯は“アウシュヴィッツ管区”として地元自治体の行政から切り離されました。 今回ご紹介の葉書は、この間、地元の一般住民がアウシュヴィッツ郵便局から差し出したもので、裏面にはこんな絵が印刷されていました。 さて、“Postal History of Auschwitz 1939-1946”は、2017年7月の全日本切手展で国際展出品資格を獲得しました。その後、同年10月にブラジリアで開催の世界切手展<Brasiliana 2017>に、当初、テーマティク部門に“A History of Hong Kong”を出品を申し込んだところ、主催者側のミスで、同作品を誤って二重にエントリーしていたので、代わりに別の作品を日本からの出品できないかとの要請がありました。僕は同展のコミッショナーとして日本からの作品取りまとめをしていたため、急遽、出品をお願いできそうな方を探したのですが、残念ながら、見つけられなかったので、全日本切手展で資格を取ったばかりの自分の作品を追加出品することにしました。これが、本作品の国際展初出品でした。 “Postal History of Auschwitz 1939-1946”は、同展では5フレームで金銀賞(80点)を受賞。翌2018年にエルサレムで開催された世界切手展<WSC Israel 2018>で大金銀賞(85点)を獲得して8フレーム出品の資格を得ました。この実績により、それまでのテーマティク部門に加え、郵便史部門でも国際切手展での審査員資格を取得しました。 その後、その後、コロナ禍により全世界的に国際切手展が開催されなかった時期をはさんで、昨年(2023年)、ドイツ・エッセンで開催された世界切手展<IBRA 2023>に出品したものの、金銀賞(83点)にランクダウンするという不本意な結果に終わったため、今回、捲土重来を期して<EFIRO 2024>に出品。大金銀賞(85-89点)に復帰することを目標としていましたが、予想を上回る金賞(91点)という高評価を得ることができました。 これまで様々なかたちで本作品の政策にご支援・ご協力を戴いた皆様には、この場をお借りして、あらためてお礼申し上げます。今後もさらなる内容の充実に努め、ライフワークの一つとして取り組んでいきたいと考えていますので、引き続き、皆様の御指導・御鞭撻のほど、よろしくお願いします。 なお、今回ご紹介の葉書の詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。 また、拙著『アウシュヴィッツの手紙 改訂増補版』も併せてご覧いただけると幸いです。 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★ 4月19日(金) 10:00~ ニッポンジャーナル インターネット番組「ニッポンジャーナル」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。皆様、よろしくお願いします。 4月26日(金) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。 4月26-28日(金-日) スタンプショウ 2024 毎年恒例、東京・浅草で開催の世界切手祭り・スタンプショウの会期中、以下の日程でトークイベントを行います。事前予約不要・参加費無料ですので、ぜひご参加ください。なお、スタンプショウの詳細は主催者サイトをご覧ください。 4月26日(金) 14:30-15:30 「セント・ジョージの龍退治:ソヴリン金貨と切手」 4月27日(土) 11:00-12:00 『切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード』出版記念講演 4月27日(土) 12:30-13:30 「加賀・能登と戦後の記念切手」 4月29日(月・祝) 謀略の世界史 特別編~リヒャルト・ゾルゲ 毎月第1土曜日に開催している講座、「謀略の世界史」の特別編として、戦前の日本を震撼させたソ連のスパイ、リヒャルト・ゾルゲについてお話しします。詳細はこちらをご覧ください。 よみうりカルチャー 荻窪 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。 謀略の世界史 原則毎月第1土曜日 13:00~14:30 MI6、CIA、モサドなど各国の情報機関のあらましや、現代史の中で彼らが実際に関与した事件などを幅広くご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。 武蔵野大学のWeb講座 大河企画の「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」、引き続き開講中です。詳細はこちらをご覧ください。 「龍の文化史」、絶賛配信中です。龍/ドラゴンにまつわる神話や伝説は世界各地でみられますが、想像上の動物であるがゆえに、それぞれの物語には地域や時代の特性が色濃く反映されています。世界の龍について興味深いエピソードなどを切手の画像とともにご紹介していきます。詳細はこちらをご覧ください。 ★ 『切手もの知り図鑑 一番切手50のエピソード』 5月1日刊行!★ 「動物と植物」「科学技術」「社会と文化」「神話/伝説と宗教」の4章立てで、犬、猫、宇宙開発、飛行機、クリスマスといったテーマで、初めて描かれた切手図案にまつわる秘話、思いがけない発行に至る背景に加え、シーラカンスやテレビ、警察官、タトゥー、髑髏といった、あっと驚く意外なテーマの一番切手も登場します! * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 ★ 『今日も世界は迷走中』 オーディオブックに! ★ 拙著『今日も世界は迷走中』がAmazonのオーディオブック“Audible”として配信されました。会員登録すると、最初の1冊は無料で聴くことができます。お申し込みはこちらで可能です。 |
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