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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 イランとサウジが国交回復
2023-03-11 Sat 10:23
 2016年以来、国交を断絶していたイランとサウジアラビアが、きのう(10日)、中国の仲介により国交を回復し、双方は互いに大使館を再開、国家主権を尊重し内政干渉しないことで合意したと発表しました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

      イラン・シルクロード(2018)

 これは、2018年10月17日にイランが発行した“シルクロード”の切手です。

 2014年11月10日、アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議で、習近平は中国からユーラシア大陸を経由してヨーロッパにつながる陸路の“シルクロード経済ベルト(一帯)”と中国沿岸から東南アジア、南アジア、アラビア半島、アフリカ東岸を結ぶ海路の“21世紀海上シルクロード”(一路)で、インフラ整備、貿易促進、資金の往来を促進する“一帯一路”計画を提唱しました。

 2016年に中国との“包括的戦略パートナーシップ”についての共同声明を発表したイランは、一帯一路に協力し、これを推進していく方針を明らかにしていましたが、2018年5月、米国のトランプ政権がイランとの核合意を離脱し、11月からイランに対する原油の全面禁輸などの制裁を復活させたことで、イランは従来以上に中国への傾斜を強めることになりました。今回ご紹介のシルクロードの切手が、こうした状況の下で、一帯一路への支持を表明する意図を込めて発行されたものであることは明らかです。

 一方、当初、サウジは必ずしも一帯一路に対して積極的に関与していたわけではありませんが、トランプ政権末期からの対米関係の冷却化に伴い、中国との関係を強化しており、昨年末の習近平のサウジ訪問時には、同国の大規模開発計画である“ビジョン2030”と中国の“一帯一路”構想との協調計画をうたった共同声明を発表しています。

 このように、両国は一帯一路への関与という点では、まさに呉越同舟という関係にあり、そのことが、今回、中国の仲介で両国の外交関係が回復したことにつながったと考えられます。

 詳細については、こちらをクリックして、内藤総研サイト内の当該投稿をご覧ください。内藤総研の有料会員の方には、本日夕方以降、記事の全文(一部文面の調整あり)をメルマガとしてお届けする予定です。

 なお、一帯一路については、拙著『現代日中関係史 第2部 1972-2022』でもまとめております。同書につきましては、すでに版元ドットコム内に専用ページができており、同ページのリンクでは、楽天アマゾンでの予約受付も始まっておりますので、よろしくお願いします。

 * 昨日(10日)の文化放送「おはよう寺ちゃん」の僕の出番は、無事、終了いたしました。リスナーの皆様には、この場をお借りして御礼申し上げます。次回は3月24日に登場の予定です。引き続きよろしくお付き合いください。


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 2023年3月24日(金) 05:00~  おはよう寺ちゃん
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