2007-03-01 Thu 00:25
今日は、1932年3月1日に満洲国が建国されてから75周年にあたります。というわけで、こんな切手を持ってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1933年3月1日に満洲国が発行した建国1周年の記念切手の1枚で、月桂樹に囲まれた満洲国の地図と国旗が描かれています。 満洲国の国旗は、1928年以前の北京政府の五色旗をベースに作られたもので、黄色の地に他の4色を左上に配したものでした。それぞれの色は、青が東方、赤が南方、白が西方、黒が北方、黄色が中央をあらわしています。しかし、いつの間にか、黄色が満州民族と統一、赤が日本民族および情熱、青が漢民族および青春、白がモンゴル民族および純真、黒が朝鮮民族と決心を表し、国旗全体で“五族協和(日・朝・満・蒙・漢の五民族が協力して平和国家を建設すること)”という建国の理念が表現されたものという俗説が広まり、本来の意味合いはあまり顧みられなくなっていきました。 なお、今回の記念切手では、“建国一周年記念”と“記念”の表示が使われていますが、実は、“記念”という表記は日本式のもので、中国語で同様の意味内容を伝える場合には“紀念”と表記するのが一般的です。これは、切手のデザインを担当したのが、日本人の吉田豊であったことによるものなのですが、そうしたところからも、満洲国の支配下で生活している人々は、彼らを統治している政府が日本人によって作られたものであることを見せつけられていたといってもよいでしょう。 さて、満洲国とその切手をめぐるさまざまなドラマについては、昨年刊行の拙著『満洲切手』でさまざまな角度から分析してみました。今年は建国75周年という節目の年ですし、上戸彩主演のドラマ、李香蘭が話題になったということでもありますので、ぜひとも、この機会にご一読いただけると幸いです。 |
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