2023-03-10 Fri 03:13
以前からご案内しておりましたが、3月20日付で刊行予定の拙著『現代日中関係史 第2部 1972-2022』の現物ができあがりましたので、一言、ご挨拶申し上げます。(画像は表紙カバーのイメージ。クリックで拡大されます)
『現代日中関係史』は、日中国交“正常化”50年の節目にあわせて、切手という切り口から第二次大戦後の日中関係を読み解いていこうというもので、昨年刊行の第1部では、わが国が中華人民共和国と国交を樹立(いわゆる国交正常化)する以前の1972年9月までを扱いましたが、今回刊行の第2部では国交”正常化”以降、2022年までを切手や郵便物の分析とあわせて読み解いております。 第1部でもお話しましたが、中華世界には、指桑罵槐、すなわち、表面上はある人物・組織を批判しながら、その本当の批判の対象は別の人物・組織であるという、独特の政治文化があります。日中関係はこの指桑罵槐が最も明瞭に観察されるフィールドの一つと言っても過言ではありません。 鄧小平の時代、中国は共産主義の思想を実質的に棄却することで経済成長を実現し、権威主義体制を維持するための新たなイデオロギーとして “愛国”を強調するようになりました。対日関係と歴史問題は、しばしば、この“愛国”の強弱をコントロールするための調整弁になっており、その微妙な匙加減の一部は中国の切手にも浮かび上がってくることがあります。 それらを丹念に拾い集めるとともに、日本切手に描かれた“(国交回復後の)中国“のイメージを組み合わせることで、従来とは少し違った角度から、複雑極まりない日中関係史を世界自然体の流れの中で俯瞰できるのではないかと考えました。巨大な隣国である“中国”について、ごくわずかでも新たな材料を皆様にご提供できれば幸いです。 ちなみに、本書では、以下のようなトピックも取り上げています。 ・パンダ外交と切手の関係は ・“親日国”とされている台湾でも“反日切手”が発行されていた ・尖閣諸島は各国の切手でどのように表現されているのか ・“新型コロナウイルスに対する勝利”を宣伝する中国切手とは ・中国の面目丸つぶれとなった東京五輪の記念切手とは ・“日中国交正常化50周年”の記念切手は日本でしか発行されなかった 本書につきましては、すでに版元ドットコム内に専用ページができており、同ページのリンクでは、楽天とアマゾンでの予約受付も始まっておりますので、よろしくお願いします。また、併せて、出版元の郵趣サービス社のスタマガネットのサイトもご覧ください。 今後、書店などで本書を見かけられましたら、ぜひ、お手に取ってご覧いただけると幸いです。また、この記事をお読みの方で、ご自身の関連するメディアなどで本書をご紹介いただける場合には、資料等をお送りいたしますので、本ブログ右側のメールフォームにて、お気軽にご連絡ください。 なにとぞよろしくお願い申し上げます。 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内 ★ 2023年3月10日(金) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から8時までの長時間放送ですが、僕の出番は6時からになります。皆様、よろしくお願いします。 4月8日スタート! 平成日本の歴史 4月8・15・22日 13:30-15:00 文京学院大学での3週連続の講座です。1989年に始まる平成30年間の日本現代史をさまざまな角度から語ります。一般的な通史に加え、その時々の時代・社会の変化を切手や郵便物を通じて読み解くことで、モノから読み解く歴史の面白さを感じていただきます。詳細はこちらをご覧ください。 4月30日(日) 英秘密情報部(MI6)入門 4月30日(日) 13:00~14:30 よみうりカルチャー荻窪での公開講座です。 映画「007シリーズ」などにも名前が出てくる英秘密情報部(MI6)について、実際の歴史的事件とのかかわりなどを中心にお話します。詳細はこちらをご覧ください。 よみうりカルチャー 荻窪 宗教と国際政治 原則毎月第1火曜日 15:30~17:00 時事解説を中心とした講座です。詳細はこちらをご覧ください。 よみうりカルチャー 北千住 エリザベス女王の現代史 原則毎月第4土曜日 13:00~14:30 エリザベス女王の描かれた切手を手掛かりに、現代史を読み解く講座です。詳細はこちらをご覧ください。 武蔵野大学のWeb講座 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編」と「日本郵便150年の歴史」の2種類の講座をやっています。詳細はこちらをご覧ください。 ★ 『現代日中関係史 第2部 1972-2022』 3月20日発売!★ 2022年11月に刊行された「第1部1945-1972」の続編で、日中国交”正常化”以降の1972年から2022年までの半世紀の、さまざまな思惑が絡まり合う日中関係の諸問題を、切手とともに紐解いていきます。 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 ★ 『なぜレジ袋は「有料化」されたのか』 好評発売中! ★ 関係省庁、政治家、業界団体等が国民が知らないところで粛々と作り続けているさまざまな規制。「レジ袋の有料化」という規制ができるまでの政治的・行政的プロセスを詳細に分析し、規制の新設防止、そして規制廃止を訴える。 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
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