fc2ブログ
内藤陽介 Yosuke NAITO
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/
World Wide Weblog
<!-【↓2カラムテーブルここから↓】-->
 切手の中の建設物:ワシントン記念塔
2007-02-22 Thu 00:36
 ご報告が遅れましたが、(財)建設業振興基金の機関誌『建設業しんこう』の2月号が出来上がりました。僕が担当している連載「切手の中の建設物」では、今までアメリカ大陸のモノを取り上げたことがありませんでしたので、今回は2月22日のジョージ・ワシントンの誕生日にちなんで、こんなものをもってきてみました。(画像はクリックで拡大されます)

      日米修好100年

 これは、1960年の日米修好100年を記念してアメリカで発行された記念切手で、ワシントンDCのワシントン記念塔(Washington Monument)と桜が描かれています。

 日米修好100年の記念行事が、日米修好通商条約調印100周年の1958年ではなく、批准100年にこだわって1960年に行われたのは、以前の記事でもご説明しましたが、この行事が実質的に1960年の日米安保条約の改訂と結び付けられていたためです。

 さて、今回ご紹介の切手は、日米修好100年の記念行事の一環としてアメリカを訪問された皇太子ご夫妻(現在の両陛下)のワシントン到着にあわせて9月26日に発行されました。ワシントンを象徴するものとして、数ある建造物の中から選ばれたのが、ワシントン記念塔です。

 ワシントン記念塔は、建国の父、ジョージ・ワシントンをたたえてワシントンの中心部に建造された巨大な白色のオベリスクで、1840年代のアメリカを代表する建築家、ロバート・ミルズが設計しました。塔の建設は、1848年7月に着工されたものの、途中、資金の不足や南北戦争などの影響で長らく中断され、冠石が完成したのは1884年12月のことで、完成の除幕式がおこなわれたのは翌1885年2月のことです。

 塔は大理石と花崗岩、砂岩から構成されており、その高さは169メートル。1889年にパリのエッフェル塔が完成するまでは世界で最も高い建設物でしたが、現在でもワシントンDCでは最も高い建物です。建設中断の影響で、地上から46メートルのところで表面の大理石の色が異なっているのが肉眼でもはっきりとわかります。切手でも塔の色は青と赤に分けられていますが、実際の塔の色の変わり目(もちろん、青とか赤とか、そういう色が塗ってあるわけではありません)は切手に描かれているよりも、はるかに低い場所になります。
 
 切手の原画はニューヨーク在住の日系二世の画家、ギヨウ・フジカワが制作したもので、記念塔にポトマック河畔の桜(日本から送られた苗木がもとになっている)を配して、日米の友好が表現されています。

 なお、この切手と含めて、1960年の日米安保改定にまつわる切手の話に関しては、拙著『反米の世界史』でまとめていますので、ご興味をお持ちの方は、是非、ご一読いただけると幸いです。
別窓 | 米国:アイク時代 | コメント:3 | トラックバック:2 | top↑
<< 富士山とロータリー | 郵便学者・内藤陽介のブログ |  風水おそるべし>>
この記事のコメント
GYO FUJIKAWA さん(女性)は1908年(明治41年)にカリフォルニア州バークリーで生まれ、1998年(平成10年)にニューヨークで亡くなっています。1954年から幼児向け絵本のイラストと文章を出版しています。彼女は当初から多様な人種の幼児や動物の子供が出てくる絵を描いています。画風はかわいらしく緻密で明るい色使いです。幼児向け絵本ですが、植物や花もある程度正確に描かれていています。不思議に、日本では余り知られていません。洋書としてもほとんど紹介されていないのがとても残念です。
 今回この切手を取り上げてくださって、GYO FUJIKAWA の可愛らしくて懐かしい絵を思い出しました。 
2007-02-23 Fri 18:28 | URL | くろあしまる #VWFaYlLU[ 内容変更] | ∧top | under∨
#525 Gyo Fujikawa
Gyo Fujikawa さんについては、この切手に関連して調べたことがありますが、ほとんど情報がありませんでした。ネットでは顔写真すら見つからず…。日本での翻訳本はすべて絶版のようです。洋書として代表作の「Babies」を入手することができると思います。

アメリカ切手に原画を提供した女性としても3人目(当時)ということも注目してよいでしょうね。(Scott Stamp Monthlyの最近の号にありました)
2007-02-25 Sun 09:07 | URL | 太郎 #EGTCt1XI[ 内容変更] | ∧top | under∨
 皆様、コメントありがとうございます。

・くろあしまる様
 GYO FUJIKAWA さんについての補足説明ありがとうございます。感謝・感謝です。

・太郎様
 いつか、日本国内よりも世界で認められた日本人を顕彰するシリーズを出して、その一人としてGYO FUJIKAWA さんの作品を切手にしてもらえたらいいのに・・・と思います。
2007-02-28 Wed 15:35 | URL | 内藤陽介 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
白の極意
原産国: 原産地: ワシントン 米国 格付等: Columbia Valley 生産者: STIMSON LANE タイプ: 白辛口 容量: 750ml ぶどう品種: : シャルドネ 料理: しゃぶしゃぶ・あっさり豚肉料理・白身魚(ムニエル) マリナーズの本拠地、ワシントン州の白。完 …
赤のレビュー
  L&#39;Ecole No.41 Syrah Seven Hills Vinyard[2003] ■産 地 ワシントン州/ワラワラヴァレー ■品 種 シラー100% ■容 量 750ml ■タイプ 赤/重口 ■パーカー 点 ■スペクテイター 点 葡萄は非常によく熟してから手で収穫された。 ジャミーなダ …
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
<!-【↑2カラムテーブルここまで↑】-->
copyright © 2006 郵便学者・内藤陽介のブログ all rights reserved. template by [ALT-DESIGN@clip].
/