2021-12-08 Wed 01:55
1941年12月8日(日本時間)に日本が米英に宣戦布告し、いわゆる太平洋戦争(日本側の正式な呼称は支那事変を含めて大東亜戦争)が勃発してから、80年になりました。というわけで、きょうはこんなのもを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、先の大戦中の1942年10月頃、逓信省が発行した「皇軍慰問ゑはがき」の1枚で、「大詔奉戴日 一億こぞって戦勝祈願」と題する児童画が取り上げられています。 1941年12月8日に対米英開戦の証書が発せられると、1942年1月2日の閣議決定で、以後、“大東亜戦争の完遂に至るまで”、すなわり、戦争終結まで毎月8日を“大詔奉戴日”とすることとされました。 すでに、支那事変下の1939年9月から、国力増強・戦意高揚を目的として、同年9月から毎月1日は“興亜奉公日”とされており、当日は、国旗掲揚・宮城遥拝・神社参拝・勤労奉仕などのほか、飲食・接客業は休業となり、国民は禁酒禁煙で、食事は一汁一菜とし、児童生徒の弁当は日の丸弁当とすることが行われていました。 大詔奉戴日はこれを発展させたもので、その実施要項には、当日の具体的な活動として、①学校・職場などでの(対米英開戦の)詔書捧読、②神社・寺院・教会などでの必勝祈願、③国旗掲揚、④職域奉公、などが挙げられています。 今回ご紹介の絵はがきの児童画は、母子と思しき4人が大詔奉戴日に神社で必勝祈願を行っている場面を描いていますが、父親の姿が見えません。おそらく、父親は応召してすでに戦地に赴いているのでしょう。そうだとすると、彼らは、必勝祈願もさることながら、出征中の父親が無事に帰ってくることを熱心に祈っていたのかもしれません。 なお、先の大戦中の切手・郵便については、拙著『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.1 戦前編』でもまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。 ★ 放送出演・講演・講座などのご案内★ 12月13日(月) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。 武蔵野大学のWeb講座 2021年12月1日~2022年2月8日 「日本の歴史を学びなおす― 近現代編その1 ― 黒船来航」 12月1日から2月8日まで、計7.5時間(30分×15回)の講座です、お申し込みなどの詳細は、こちらをご覧ください。 三鷹市生涯学習センター 「宗教と国際政治」 2022年1月10~23日 国際紛争や諸外国のタイムリーな重大ニュースを取り上げ、その背後にある「宗教」をめぐる諸問題をじっくり解説する講座です。今回は、混迷続くアフガニスタンとその歴史に焦点を当ててお話します。お申し込みは12月11日(土)までで、ご応募多数の場合は抽選になります。詳細はこちらをご覧ください。 ★ 『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.2 戦後編』 11月20日刊行! ★ 2530円(本体2300円+税) 明治4年3月1日(1871年4月20日)にわが国の近代郵便が創業され、日本最初の切手が発行されて以来、150年間の歴史を豊富な図版とともにたどる3巻シリーズの第2巻。まずは、1945年の第二次大戦終戦までの時代を扱った第1巻に続き、第二次大戦後の1946年から昭和末の1989年までを扱っています。なお、2022年3月刊行予定の第3巻では平成以降の時代を取り扱う予定です。 * ご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 ★★ 書籍無料ダウンロードを装った違法サイトにご注意ください!★★ 最近、拙著『切手でたどる郵便創業150年の歴史』をPDF化して、無料でダウンロードできるかのように装い、クレジットカード情報を盗み取ろうとする違法サイトの存在が確認されました。 この種のサイトは多種多様な出版物を無許可で取り扱っているものと思われます。 内藤および拙著の出版元・販売元ではこのような行為は一切認めておらず、フィッシング詐欺等に巻き込まれる可能性もありますので十分ご注意ください。 |
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