2021-10-28 Thu 01:05
プロ野球のパシフィック・リーグは、きのう(27日)、オリックス・バファローズが1996年シーズン以来25年ぶりの優勝を決めました。というわけで、セ・リーグのスワローズ優勝の時と平仄を合わせて、拙著『切手でたどる郵便創業150年』シリーズの中から、バファローズ(水牛)関係のこんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1944年8月1日、日本占領下のスマトラで発行された20セント切手の試刷で水牛を使った農耕風景が描かれています。 第二次大戦中の1942年3月、スマトラ島を占領した日本軍は、旧オランダ領東インド(蘭印)切手を接収し、そのまま無加刷で使用させたほか、各地で独自のローカル加刷を施した切手を使用させていました。このほか、無加刷の日本切手や一部の地域ではマライの占領加刷切手も使用されています。 その後、状況が落ち着いてくると、1943年4月29日以降、今回ご紹介の切手の水牛農耕を含め、スマトラの風物を題材としたコルフ社製の正刷切手が発行され、全島で使用されました。ちなみに、2013年にスマトラ島を旅行した際、現地で水牛の写真が撮影できましたので、下に貼っておきます。 コルフ社製の正刷切手は1945年の終戦まで使用されましたが、1945年8月17日のインドネシア共和国独立宣言後は、インドネシア側に接収され、各種の加刷を施して使用されました。 なお、先の大戦中の日本軍占領地の切手の概要については、ことし4月に刊行した『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol。1 戦前編』でもまとめておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。また、その続編として、11月20日付で刊行の『同 vol.2 戦後編』については、11月6日(土)13:00から、東京・浅草の都立産業貿易センター台東館で開催の全国切手展<JAPEX>の会場で、刊行記念のトークベントを行いますので、一人でも多くの方に遊びに来ていただけると幸いです。(切手展の詳細等につきましては主催者のサイトをご覧ください) ★ 放送出演・講演・講座などのご案内★ 11月1日(月) 05:00~ おはよう寺ちゃん 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。 全国切手展<JAPEX 2021> 於・都立産業貿易センター台東館 毎年恒例、全国切手展<JAPEX>ですが、今回は会期中、以下の2回のトークイベントに登場します 11月6日(土) 11:00~ 「切手でたどる郵便創業150年の歴史Vol.2 戦後編」 * 11月20日付で刊行の『切手でたどる郵便創業の歴史』第2巻の会場内先行販売を兼ねた出版記念イベントで、同書の内容の一部をご紹介します。 11月7日(日) 13:00~ 「アフガニスタン現代史」 * 12月上旬にえにし書房から刊行予定の「アフガニスタン近現代史(仮題)」の事前プロモーションを兼ねたイベントです。 両イベントとも、イベントそのものは事前予約不要・参加費無料ですが、会場の切手展へは入場料が必要です。切手展の詳細は、主催者サイトをご覧ください。 ★ 『世界はいつでも不安定』 オーディオブックに! ★ 拙著『世界はいつでも不安定』がAmazonのオーディオブック“Audible”として配信されました。会員登録すると、最初の1冊は無料で聴くことができます。お申し込みはこちらで可能です。 ★ 『誰もが知りたいQアノンの正体』 好評発売中! ★ 1650円(本体1500円+税) * 編集スタッフの方が個人ブログで紹介してくれました。こちらをご覧ください。 ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
#2634 はじめまして
びっくりしました。切手一枚についてこれほどにくわしく謂われやエピソードを紹介されている方がいらっしゃるとは驚きでした。ひとつひとつの記事がおもしろく勉強になっています。
私は北海道の農家のオヤジです。家業を継いですぐの頃、切手収集に夢中になっていました。今、息子に経営を継承したところで、また再び切手に興味を持ち出し、手持ちの切手(せいぜい1990年頃までですけど)を整理してリーフにまとめ始めたところです。内藤さんのこのブログはたいへん参考になります。 これからもどうぞよろしくお願いします。 |
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