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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 メーデー
2021-05-01 Sat 01:39
 きょう(1日)はメーデーです。というわけで、労働者を描く切手の中から、この1枚を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      2次昭和・1銭

 これは、日米英開戦後に発行された第2次昭和切手のうち、1943年1月1日に発行された「働く女性」(通称・女子工員)を描く1銭切手です。

 1941年12月8日、日本は米英蘭に宣戦を布告し、大東亜戦争(いわゆる太平洋戦争)が勃発しました。

 これを受けて、切手も戦意高揚のための手段として活用されることになり、逓信省は1942年1月15日〆切で、「防諜、生產力擴充、大東亞共榮圈確立、髙度國防國家ノ建設、其他國策遂行上時局認識セシメ直チニ效果アル取材トシ、斬新ニシテ迫力アルモノタルコト」とのテーマで切手図案の懸賞公募を行います。

 募集期間はごく短期間だったにもかかわらず、2972点の応募があり、フランスから帰国していた藤田嗣治を含む11名の審査員による審査の結果、19点が入選となりました。ちなみに、1等(賞金500円)に選ばれたのは、鈴木泉造の「富士と八紘基柱」で、1942年10月1日に発行された4銭切手の図案に採用されています。

 今回ご紹介の切手に取り上げられた「働く女性」はその3等入選作品で、原画作者は山之内孝夫。もともとは、こんな感じでした。

      第2次昭和・1銭原画

 実際に発行された切手では、額面が2銭から1銭に変更されているほか、女性の顔つきなどに修正が加えられているものの、ほぼ原画通りの仕上がりとなっています。

 なお、今回ご紹介の切手を含む第2次昭和切手とその原画については、拙著『切手でたどる郵便創業150年の歴史 vol.1 戦前編』でもご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。


★ 放送出演・講演・講座などのご案内★

 5月3日(月) 05:00~  
 文化放送の「おはよう寺ちゃん」に内藤がコメンテーターとして出演の予定です。番組は早朝5時から9時までの長時間放送ですが、僕の出番は07:48からになります。皆様、よろしくお願いします。

 5月15日(土)~ 武蔵野大学の生涯学習講座
 5月15日、22日、6月5日、19日、7月3日、17日の6回、下記のふたつの講座でお話しします。 
 13:00~14:30 「日本の郵便150年の歴史 その1 ―“大日本帝国”時代の郵便事情―」
 15:15~16:45 「東京五輪と切手ブームの時代 ―戦後昭和社会史の一断面―」
 対面授業、オンラインのライブ配信、タイム・フリーのウェブ配信の3通りの形式での受講が可能です。お申し込みを含め、詳細については、こちらをクリックしてご覧ください。

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 明治4年3月1日(1871年4月20日)にわが国の近代郵便が創業され、日本最初の切手が発行されて以来、150年間の歴史を豊富な図版とともにたどる3巻シリーズの第1巻。まずは、1945年の第二次大戦終戦までの時代を扱いました。今後、2021年11月刊行予定の第2巻では昭和時代(戦後)を、2022年3月刊行予定の第3巻では平成以降の時代を取り扱う予定です。

 ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 

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