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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 アウシュヴィッツ訪問者最多に
2020-01-09 Thu 08:27
 アウシュヴィッツ・ビルケナウ博物館は、おととい(7日)、昨年(2019年)の訪問者数が過去最高の230万人(前年比+17万人)に達したと明らかにしました。というわけで、きょうはこんなモノをご紹介します。(画像はクリックで拡大されます)

      ワルシャワからアウシュヴィッツ宛

 これは、1942年6月8日、ワルシャワからアウシュヴィッツの収容者宛の郵便物です。

 アウシュヴィッツ第1および第2収容所の収容者宛の郵便物は、収容者の名前・誕生日・収容者番号・収容棟番号を記して、アウシュヴィッツ郵便局2宛に送られました。

 収用所に到着した郵便物は、まず、収容所当局によって、名宛人が収容所にいるか否か、1ヶ月に2通という受取可能な通数の制限内に収まっているか否か、その他の規則に違反していないかをチェックしたうえで、内容の検閲を受け、収容者に渡されるという段取りになっていました。

 今回ご紹介の郵便物は、そうしたプロセスを経て、アウシュヴィッツの収容者宛に届けられたものですが、切手は、収容所に到着した際、検閲のために剥がされています。そして、その際、当初からの脱落や料金未納ではないことを示すため、切手が貼られていた場所には赤鉛筆でX印が書き込まれています。

 アウシュヴィッツ収容所宛の郵便物は、収容者からの発信に比べて、残存数が少ないのですが、その大半は、収容者の手に渡らずに返戻されたもので、今回ご紹介のように、実際に収容者に届けられたものはほとんど残っていません。なお、アウシュヴィッツからの返戻便の封書の圧倒的多数は、開封・検閲された痕跡がないため、返戻の理由としては、検閲の結果、内容が不適切であると判断されたためではなく、単純に郵便交換の規則に違反していたためというケースが大半だったのではないかと思われます。

 ちなみに、アウシュヴィッツその郵便物については、拙著『アウシュヴィッツの手紙 改訂増補版』でも詳しくご説明しておりますので、機会がありましたら、ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。


★★ イベント等のご案内 ★★

 今後の各種イベント・講座等のご案内です。詳細については、イベント名をクリックしてご覧ください。

第11回テーマティク研究会切手展

      JTPC展2020ポスター


 1月11-12日(土・日) 於・切手の博物館(東京・目白)

 テーマティク研究会は、テーマティクならびにオープン・クラスでの競争展への出品を目指す収集家の集まりで、毎年、全国規模の切手展が開催される際には作品の合評会を行うほか、年に1度、切手展出品のリハーサルないしは活動成果の報告を兼ねて会としての切手展を開催しています。今回の展覧会は、昨年に続き11回目の開催で、香港情勢が緊迫している折から、メインテーマを香港とし、内藤も「香港の歴史」のコレクションを出品しています。

 また、会期中の12日13:00からは、拙著『(シリーズ韓国現代史1953-1865)日韓基本条約』の刊行を記念したトークイベントも行います。

 展覧会・トークイベントともに入場無料・事前予約不要ですので、ぜひ、遊びに来てください。


・よみうりカルチャー 荻窪
 宗教と国際政治
 毎月第1火曜日 15:30~17:00
 1/7、2/4、3/3(1回のみのお試し受講も可)


★★  内藤陽介の最新刊 『日韓基本条約』 ★★

      日韓基本条約・表紙 本体2000円+税

 出版社からのコメント
 混迷する日韓関係、その原点をあらためて読み直す!
 丁寧に読むといろいろ々発見があります。

 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


★ 2020年はアウシュヴィッツ収容所解放75周年!★

       (増補改訂版)アウシュヴィッツの手紙・表紙 本体2500円+税
 
 出版社からのコメント
 初版品切れにつき、新資料、解説を大幅100ページ以上増補し、新版として刊行。独自のアプローチで知られざる実態に目からウロコ、ですが淡々とした筆致が心に迫る箇所多数ありです。

 本書のご予約・ご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、本書の目次をご覧いただけるほか、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。


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