2006-11-01 Wed 01:41
先週金曜日(10月27日)に発売になった雑誌『ユリイカ』の11月号(上の画像はその表紙です。画像はクリックで拡大されます)は、東京都現代美術館で開催中の展覧会大竹伸朗全景 1955-2006にあわせて、現代美術のビッグネーム大竹伸朗の特集が組まれています。同誌には、僕も「少年・大竹伸朗と切手ブームの時代」と題する文章を寄稿していますので、この場を借りてご案内いたします。 1955年生まれの大竹の人格形成期は、まさに切手バブルの時代+一億総切手狂の時代という切手ブームの全盛期でした。おそらく、大竹の周囲にも切手少年たちがあふれていたことでしょう。ただし、当時の切手収集は、未使用の記念切手をシートで買うというスタイルが主流でしたので、モノが古びて、ゴミになっていく過程にこそ美を見出すという大竹の審美眼からすれば、切手収集は受け入れがたいものだったと思います。じっさい、現在にいたるまで、大竹は膨大な数の作品を発表していますが、そこには切手や郵便物はほとんど出てきません。 しかし、彼の文章やインタビューなどを丹念に調べてみると、意外や意外、彼が常に“郵便物”をチラチラと横目で見ながら仕事をしてきたということが浮かび上がってきます。やはり、彼も少年時代に吸った空気からは自由になれないということなのでしょう。そして、そのことが、大竹の作品に、おそらく大竹本人は気がついていないであろう“郵便的”な彩りを与えているように、僕の目には映るのです。 今回の『ユリイカ』の仕事では、そんなちょっと風変わりな大竹伸朗論を書いてみました。いままでの内藤陽介とはちょっと違ったスタイルの仕事ですが、もしよろしかったら、ちょっとご覧いただけると幸いです。 *11月3日(金・祝)16:00より、東京・池袋で開催の<JAPEX>会場内にて『満洲切手』刊行記念のトークを行います。よろしかったら、是非、遊びに来てください。(『満洲切手』については、こちらもご覧ください) |
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大竹伸朗大竹 伸朗(おおたけ しんろう、1955年10月8日 - )は、日本の現代美術家。東京都目黒区出身。1974年、東京芸術大学に落ち、武蔵野美術大学油絵学科に入学するも、即休学。北海道別海町の牧場で働く。翌年から北海道各地を巡り絵を描いたり写真を …
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