2018-07-04 Wed 01:46
きょう(4日)は米国の独立記念日です。というわけで、現在制作中の拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』に関連して、こんなモノを持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1943年7月23日、キューバ島グアンタナモの米海軍基地内の郵便局から差し出された葉書です。 1898年の米西戦争は、1895年から行われていたキューバの独立闘争を支援することが大義名分でしたが、実際には、1898年8月12日の停戦を経て、12月10日に和平条約として米西間でパリ条約が結ばれると、キューバは保護国化されて米軍政が始まります。 その後、1902年にキューバは“独立”を達成しますが、これに先立つ憲法制定の過程で、米国はキューバ制憲議会に対して、①キューバの独立が脅かされたり、米国人の生命・財産が危険にさらされたりした場合には米国は介入できる、②キューバは(米国以外の)外国から資金を借りてはいけない、③キューバ政府は(米国以外の)外国に軍事基地を提供したりしてはいけない、④キューバ政府は米軍事基地を提供する義務を負う、など8項目からなる付帯事項(提案した米議員の名前から、“プラット修正条項”と呼ばれています)を押し付けました。 このうち、上記の④に基づき、1903年2月23日、米国はキューバ島東南部のグァンタナモ湾に面する116平方キロの土地を海軍基地として永久租借する権利を獲得しました。これがグアンタナモ米軍基地で、形式上の主権はキューバ側にあり、米国は“租借料”として、長年、毎年金貨2000枚(4000米ドル)を支払っていました。 1959年のキューバ革命で成立したフィデル・カストロ政権は、米国による基地租借を非合法と非難しているため、租借料は1度受け取ったのみで、その後は受け取りを拒否し、基地周辺に地雷を敷設しています。基地の敷地内は、米軍法のみが適用される治外法権区域になっているため、1970年代以降、キューバやハイチからの難民を収容する施設が設けられました。後に、収容施設は、アフガニスタン戦争およびイラク戦争の捕虜が収容されるようになり、現在でも、40人が収容されています。 ★★★ 全日本切手展のご案内 ★★★ 7月20-22日(金-日) 東京・錦糸町のすみだ産業会館で全日本切手展(全日展)ならびにチェコ切手展が開催されます。主催団体の一つである全日本郵趣連合のサイトのほか、全日本切手展のフェイスブック・サイト(どなたでもご覧になれます)にて、随時、情報をアップしていきますので、よろしくお願いいたします。 *画像は実行委員会が制作したポスターです。クリックで拡大してご覧ください。 なお、会期中の21日、内藤は、以下の3回、トーク・イベントをやります。 13:00・9階会議室 「国際切手展審査員としての経験から テーマティク部門」 14:30・8階イベントスペース 「アウシュヴィッツとチェコを往来した郵便」 16:00・8階イベントスペース 『世界一高価な切手の物語』(東京創元社) ★★★ 近刊予告! ★★★ えにし書房より、拙著『チェ・ゲバラとキューバ革命』が近日刊行予定です! 詳細につきましては、今後、このブログでも随時ご案内して参りますので、よろしくお願いします。 (画像は書影のイメージです。刊行時には若干の変更の可能性があります) ★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★ 本体2500円+税 【出版元より】 中東100 年の混迷を読み解く! 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史! 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
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