2018-02-23 Fri 15:04
世界の野生種のウマは既に絶滅していたとする研究結果が、きのう(22日)付の米科学誌サイエンスに発表されました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1986年、モンゴルが発行した“モウコノウマ”の切手です。 モウコノウマは、これまで、シマウマ、ノロバを除いた唯一の現存する野生馬とされてきた馬で、頭胴長2.2-2.6m、体高1.2-1.4m、体重200-300kgほどで、鬣は直立しており、家畜馬のように倒れないのが特徴です。 1867年以降、中央アジアで数次にわたる探検をおこなっていたロシアのニコライ・プルツェワルスキー大佐は、1879-80年、陸軍大臣、外務大臣、地理学協会の支援を受けて第3次遠征を行いました。その際、ザイサンで新種の馬の毛皮を入手し、欧米に紹介したことからモウコノウマの存在が広く知られるようになりました。なお、モウコノウマは1881年に正式に新種として登録されましたが、その際には、プルツェワルスキーの名を冠して“Equus ferus przewalskii(プルジェワリスキーウマ)”の学名がつけられています。 さて、今回発表された研究では、まず、カザフスタン北部のボタイとクラスヌイヤールの2ヵ所の遺跡で発掘された歯と骨に基づき、ボタイ遺跡のウマ20頭と、ユーラシア大陸全域のウマ22頭のゲノムを解析。次いで、解析した古代のウマのゲノムと、すでに公開されている古代馬18頭と現生馬28頭のゲノムデータとを比較しています。その結果、モウコノウマは、約5500年前にカザフスタン北部ボタイの人々に飼われていた家畜馬の子孫であることが明らかになったそうです なお、モウコノウマは、純粋な野生下では、1966年にハンガリーの昆虫学者によって目撃されたのを最後に目撃情報が確認されなくなり、1968年頃に一度絶滅したと考えられていますが、欧米諸国の動物園に送られた個体から繁殖が進められ、再野生化が試みられた結果、モンゴルのフスタイ=ヌルー保護区では100頭以上に回復しています。 ★★★ 世界切手展< THAILAND 2018>作品募集中! ★★★ 本年(2018年)11月28日から12月3日まで、タイ・バンコクのサイアム・パラゴンで世界切手展<THAILAND 2018>が開催される予定です。同展の日本コミッショナーは、不肖・内藤がお引き受けすることになりました。 現在、出品作品を3月12日(必着)で募集しておりますので、ご興味がおありの方は、ぜひ、こちらをご覧ください。ふるってのご応募を、お待ちしております。 ★★ 内藤陽介の最新刊 『パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学』 ★★ 本体2500円+税 【出版元より】 中東100 年の混迷を読み解く! 世界遺産、エルサレムの“岩のドーム”に関連した郵便資料分析という独自の視点から、複雑な情勢をわかりやすく解説。郵便学者による待望の通史! 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各ネット書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 |
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