2006-05-23 Tue 23:53
先日、相互リンクをお願いしているcbreakerの切手収集ダイアリーを拝見していたら、クレタ島でノルウェーのポストホルン(郵便ラッパ)の切手にそっくりなものが発行されていて驚いたという記事(本文はココです)が出ていました。
取り上げられていた切手は、もともとは1901年にクレタ自治政府が発行した不足料切手(郵便料金の未納・不足分を徴収するために用いられる切手)で、イギリスのブラッドリー・ウィルキンソン社が制作したものですが、クレタ島の切手・郵便史の専門家であるFeenstraは、この切手はノルウェーの切手をパクって作ったものであるとあっさり断定しています。 ところで、自治政府時代のクレタ島で発行されたポストホルンの切手というと、不足料切手の他にも、こんなかたちで使われていた公用切手も見逃すわけには行きません。(画像はクリックで拡大されます) これは、1908年8月1日(消印上のユリウス暦では7月19日)にネアポリスから差し出された裁判所の召喚状で、自治政府の郵政が発行した“公用切手”が貼られています。 クレタ島では、裁判所からの召喚状は、郵便配達夫が呼び出される人物本人に直接手渡しするものとされていました。この制度に用いるため、1908年1月、今回ご紹介しているような“公用切手”が発行されたわけですが、それ以前は、召喚状の送付にも一般的な普通切手がそのまま使われていました。 切手は基本的に裁判所を中心とした公的機関が用いるものであったため、額面数字(今回の切手では10レプタ)を大書し、下にポストホルンを配するといった実用本位のもので色気も素っ気もないのですが、なんともいえない素朴な味わいが、ノルウェー切手をパクって作られた不足料切手と違って、なんともいい雰囲気をかもし出しているように感じられます。 お騒がせ議員の杉村タイゾー氏が、自分のブログに代ゼミの先生の本から盗用したのどうしたのということが話題になっていますが、やっぱ、パクったモノってのはすぐに底が割れると言うことなんでしょうかねぇ。安易な方向に流れてしまいがちな僕も、ホント、気をつけないと。 |
|
||
管理者だけに閲覧 | ||
|
| 郵便学者・内藤陽介のブログ |
|