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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 朔旦冬至
2014-12-22 Mon 11:01
 きょう(22日)は冬至です。ことし(2014年)は、旧暦の11月1日の新月と重なる19年に1度の“朔旦冬至”にあたるということなので、きょうはこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)

      韓国・パッシルトック

 これは、2002年6月15日、韓国で発行された「韓国の食」シリーズ第2集のうち、パッシルトックを取り上げた1枚です。切手の説明文はシルトック(甑餅)としか書かれていませんが、具体的には、シルトックのうち、小豆を使ったパッシルトックが取り上げられています。なお、シルトックの“シル”は甑(穴のあいた土器)、“トック”は餅の意味です。

 日本の餅は蒸かしたコメをついて作りますが、朝鮮半島の伝統的な餅は米粉を水で溶いたものを捏ねて作るもので、日本語でいうと、餅よりも団子に近いものです。このうち、うるち米の粉を練って甑で蒸したのがシルトックで、新装開業や引越、子供が生まれた時などに近所に配る習慣がありました。

 ところで、日本では当時の食べ物というと南瓜のほか、銀杏・蓮根・蜜柑など、いろはの最後の「ん」のつく食材が挙げられていますが、韓国では小豆が食されます。これは、小豆の赤い色には厄除けの効能があると信じられていたためで、冬至の料理としては、特に、小豆粥(パッチュック)が定番です。現在の小豆粥は、小豆と米を一緒に炊いたものが主流となっていますが、もともとは、小豆スープの中にもち米団子(セアルシム)を年の数だけ入れて炊くのが伝統的なスタイルでした。

 ただし、旧暦11月10日以前に冬至がくる年は、例外として、小豆粥ではなく、蒸した小豆とシルトックを交互に積み重ねたパッシルトックを食べるのが伝統的な習慣となっていました。今年の場合は、朔旦冬至で、あきらかに11月10日以前の冬至ですから、小豆粥ではなく、切手に取り上げられたパッシルトックを食べるのが伝統に適ったやり方ということになります。


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      チャンネルくらら写真

 毎週水曜日、インターネット放送・チャンネルくららにて、内藤がレギュラー出演する番組「切手で辿る韓国現代史」が配信されています。青字をクリックし、番組を選択していただくとYoutube にて無料でご覧になれますので、よろしかったら、ぜひ、ご覧ください。(画像は収録風景で、右側に座っているのが主宰者の倉山満さんです)

 
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 毎月1回(原則第1火曜日:1月6日、2月3日、3月3日、3月31日)、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で下記の一般向けの教養講座を担当します。

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 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る!
 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。

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