2014-10-14 Tue 11:57
きょう(14日)は“鉄道の日”です。というわけで、この切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1949年9月18日、韓国で発行された“鉄道50年”の記念切手で、日本統治時代に建造されたパシコ(パシフィック5形)蒸気機関車が描かれています。 朝鮮半島における鉄道の歴史は、1894年、日本が朝鮮王朝に対してソウルから開港場までの鉄道建設を提案したことに始まります。 翌1895年には、米国人モールスが漢城(現ソウル)=仁川間の鉄道敷設権を獲得しますが、資金難のため、1897年4月、モールスは鉄道敷設権を渋沢栄一らに180万円で譲渡。これを受けて、三井・三菱・渋沢ら日本の財閥によって京仁鉄道合資会社が設立され、同社によって、1899年9月18日、鷺梁津=済物浦間の鉄道が開通しました。翌1900年には漢江鉄橋が開通し、鷺梁津=南大門(現・ソウル駅)まで路線が延長されます。これが、現在のソウル=仁川間の京仁線のルーツです。 1905年には京釜線(ソウル=釜山間)が全通、さらに翌1906年には京義線(ソウル=新義州間)が全通し、関釜連絡船から京釜線・京義線を経て南満州鉄道に接続する路線が開かれます。その後、日本の統治下で朝鮮の鉄道網は拡充されましたが、1945年の解放後は北緯38度線をまたぐ鉄道は38度線以南のみの運行となり、京義線や京元線(ソウル=元山間)は分断されました。 さて、今回ご紹介の切手を持ち出すまでもなく、現在の大韓民国は、良くも悪くも1910-45年の日本統治時代の“遺産”の上に成り立っています。拙著『朝鮮戦争』は、そうした日本統治時代との連続性に特に留意して、朝鮮半島現代史の原点を再構成してみようというものですので、機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。 ★★★ インターネット放送出演のご案内 ★★★ インターネット放送・チャンネルくららにて、10月8日より、内藤がレギュラー出演する新番組「切手で辿る韓国現代史」が毎週水曜日に配信となります。青字をクリックし、番組を選択していただくとYoutube にて無料でご覧になれますので、よろしかったら、ぜひ、ご覧ください。(画像は収録風景で、右側に座っているのが主宰者の倉山満さんです) ★★★ よみうりカルチャー荻窪の講座のご案内 ★★★ 10月から、毎月1回(原則第1火曜日:10月7日、11月4日、1月6日、2月3日、3月3日、3月31日)、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で下記の一般向けの教養講座を担当します。(詳細はそれぞれ講座名をクリックしてください) ・イスラム世界を知る 時間は15:30-17:00です。 初回開催は10月7日で、講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 『朝鮮戦争』好評発売中! ★★★ お待たせしました。約1年ぶりの新作です! 本体2000円+税 【出版元より】 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る! 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各電子書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 *8月24日付『讀賣新聞』、韓国メディア『週刊京郷』8月26日号、8月31日付『夕刊フジ』、『郵趣』10月号、『サンデー毎日』10月5日号で拙著『朝鮮戦争』が紹介されました! ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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