2014-09-26 Fri 12:41
コーヒー大手UCC上島珈琲は、きのう(25日)、産地のジャマイカで病虫害などにより大幅に減産しているため、在庫限りでブルーマウンテン(以下、コーヒーの名前としてはブルマンと略)の販売を終了すると発表しました。すでに、同様の理由でキーコーヒーも直営店での販売を休止し、スーパーなどでの在庫を残すのみとなっており、しばらくブルマンとはお別れということになりそうです。というわけで、今日はこの切手を持ってきました。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1932年、英領時代のジャマイカで発行された切手で、ブルーマウンテン山脈で5番目に高い頂、キャサリンズ・ピーク(1353m)とその下に広がるニュー・キャッスル村の風景が描かれています。ちなみに、キャサリンズ・ピークの名は、1760年、この山に初めて登ったキャサリン・ロングにちなんで命名されました。 高級コーヒーの代名詞として知られるブルマンは、本来、ブルーマウンテン山脈の標高800~1200mの特定エリアで産出されたコーヒー豆のみに付けられる名前で、今回ご紹介の切手に取り上げられているニューキャッスル一帯はその産地の一つとして知られています。この地域では、1750年頃にはすでにコーヒーの栽培が始まっていたといわれており、1810年の記録では、ロバート・ハミルトンがニューキャッスルを含む山の高い地域に30万平米のコーヒー農場と173面平米の牧草地を、山麓に45万平米のコーヒー農場と107万平米の牧草地を所有していたとの記録が残されています。 ちなみに、“ブルマン”として日本に輸出されている豆の多くは、ブルーマウンテン山脈周辺(主に標高800m以下の山麓エリア)で栽培されたもので、本来なら“ブルマンもどき”と称すべきものなのだとか。それでも、今回の一件で“ブルマンもどき”さえ入手困難ということになると、本来のブルマンはますます、僕などには手の届きにくい高嶺の花ということになりそうですな。 ★★★ よみうりカルチャー荻窪の講座のご案内 ★★★ 10月から、毎月1回(原則第1火曜日:10月7日、11月4日、1月6日、2月3日、3月3日、3月31日)、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で下記の一般向けの教養講座を担当します。(詳細はそれぞれ講座名をクリックしてください) ・現代コリア事情 時間は13:00-14:30です。 ・イスラム世界を知る 時間は15:50-17:00です。 初回開催は4月1日で、講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 『朝鮮戦争』好評発売中! ★★★ お待たせしました。約1年ぶりの新作です! 本体2000円+税 【出版元より】 「韓国/北朝鮮」の出発点を正しく知る! 日本からの解放と、それに連なる朝鮮戦争の苦難の道のりを知らずして、隣国との関係改善はあり得ない。ハングルに訳された韓国現代史の著作もある著者が、日本の敗戦と朝鮮戦争の勃発から休戦までの経緯をポスタルメディア(郵便資料)という独自の切り口から詳細に解説。解放後も日本統治時代の切手や葉書が使われた郵便事情の実態、軍事郵便、北朝鮮のトホホ切手、記念切手発行の裏事情などがむしろ雄弁に歴史を物語る。退屈な通史より面白く、わかりやすい内容でありながら、朝鮮戦争の基本図書ともなりうる充実の内容。 本書のご注文は版元ドットコムへ。同サイトでは、アマゾン他、各電子書店での注文ページにリンクしています。また、主要書店の店頭在庫も確認できます。 *8月24日付『讀賣新聞』、韓国メディア『週刊京郷』8月26日号、8月31日付『夕刊フジ』、『サンデー毎日』10月5日号で拙著『朝鮮戦争』が紹介されました! ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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