2006-04-14 Fri 16:06
4月28日スタートの<スタンプショウ06>まで、あと2週間となりました。今年は、ムーミン60年にしてフィンランドの切手発行150年ということで、フィンランド大使館のご協力もいただき、“ムーミンの国・フィンランド切手展”を派手にやることになっています。
というわけで、今日からスタンプショウ開幕までの間、その事前の宣伝を兼ねて、僕の手持ちのストックの中からフィンランドがらみのモノを不定期にご紹介していこうかと思います。まずは、この1枚。(画像はクリックで拡大されます) このカバー(封筒)は、幻に終わった1940年のヘルシンキ五輪の宣伝のために作られたものです。 1940年のオリンピックは、当初、東京で開催される予定でしたが、1937年に勃発した日中全面戦争の影響で日本が開催を返上。このため、フィンランドの首都ヘルシンキが代替地に選ばれました。これを受けてフィンランド政府は五輪開催の準備を進め、今日ご紹介しているような宣伝封筒も作られました。 しかし、1939年9月、ドイツとの密約でポーランドを分割したソ連はフィンランドを恫喝して領土の割譲を要求し、同年11月30日にフィンランドに侵攻します。いわゆる蘇芬(ソビエト-フィンランド)戦争です。その余波で、1940年のオリンピックはヘルシンキでの開催も不可能になり、1940年のヘルシンキ大会は、東京大会同様、“幻のオリンピック”となりました。 今日ご紹介しているカバーは、開戦直前、ソ連侵攻の危機が深まっていた1939年11月21日、フィンランド軍の兵士が差し出した軍事郵便に用いられたもので、まさに、“幻のヘルシンキ五輪”を語るのにふさわしいマテリアルではないかと思います。 このカバーは、会場でもなんらかの形で展示する予定ですので、よろしかったら、4月28~30日の<スタンプショウ06>で実物をご覧いただけると幸いです。 *スタンプショウ会期中の29日(土)14:30~、ミニ講演と即売サイン会をやります(くわしくはこちら)ので、よろしかったら、ぜひ遊びに来てください。 |
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