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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 中曽根切手
2006-04-05 Wed 23:57
 小泉首相の在任日数が、中曽根康弘を抜いて、佐藤栄作・吉田茂についで歴代3位になったそうです。というわけで、追い抜かれた中曽根さんがらみのものということで、こんな1枚を持ってきました。

フィリピンの中曽根切手

 1983年4月、中曽根は現職の首相としてASEAN各国を歴訪しましたが、訪問国の一つであったフィリピンでは、これを記念して、マルコスと中曽根を並べて取り上げた記念切手を発行しています。上の画像はその切手と、切手発行にあわせて使われた記念印です。

 他国の首脳が訪問した機会をとらえて記念切手を発行し、そこに両国首脳の肖像を入れるということは、世界的に見れば、別に珍しいことではありません。ただし、この記念切手には、国民の支持を失いつつあった当時のマルコス政権(マルコスが革命によって政権を追われるのは切手発行から3年後の1986年)が、日本との友好関係を強調し、日本からの経済援助を呼び込むことで国内の政権基盤を強化する意図が込められていたものと見ることも可能でしょう。ちなみに、同時に中曽根が歴訪したASEAN諸国では、彼の肖像の切手は発行されておらず、その意味では、フィリピンの突出ぶりは際立っています。

 中曽根は、ASEAN歴訪に先立ち、同年1月に韓国を訪問し、大統領の全斗煥と会談しています。当時の韓国では、外国の首相や大統領と韓国大統領が会談すると、両者を並べた肖像の切手を発行するのが通例となっていましたが、中曽根の訪韓時には、日本に対する韓国の国民感情を考慮し、中曽根と全が並ぶ記念切手は発行されていません。

 なお、在任日数ベスト3の佐藤・吉田・小泉の3人の(元)首相は、いずれも切手に登場していますので、いずれ、このブログでも取り上げる機会があるかもしれません。

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