2013-05-23 Thu 13:54
きょう(23日)は、カメについて知り、カメに敬意を払い、カメの生存と繁栄のための人間の手助けをするという“世界カメの日”だそうです。というわけで、カメの切手の中からこの1枚です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1963年11月23日にマリで発行された「野生動物保護」の航空切手でカンムリヅルとケヅメリクガメが描かれています。鶴と亀というモチーフは、日本では吉祥の組み合わせとしてポピュラーなものですが、今回ご紹介の切手は、そのアフリカ版という感じでしょうか。 切手に描かれたカンムリヅルは、アフリカ大陸の中央部・西部(切手発行国のマリも含まれます)の湿地や草地に棲息し、穀物の種子やカエルなどの小動物、昆虫を餌としています。一般にツルの仲間は木の枝にはとまらないのですが、この種は、ホオジロカンムリヅルとともに、例外的に木の枝に停まることができます。 一方、切手に描かれているカメについて、スコット・カタログでは“giant tortoise”という説明がついています。この語は、一般的に“ゾウガメ”と訳されていますが、日本語でいう“ゾウガメ”は、インド洋のアルダブラゾウガメと太平洋のガラパゴスゾウガメを指すことが多いようです。ただし、マリでは、この2種のどちらも野生では棲息していません。むしろ、エリトリア、エチオピア、スーダン、セネガル、ソマリア、チャド、ニジェール、マリ、ブルキナ・ファソ、ベナン、モーリタニア等に棲息するリクガメとして、ケヅメリクガメという種がありますので、切手に描かれているのはこちらではないかと思います。 ケヅメリクガメは、砂漠の周辺やサバンナに生息しており、乾季になると巣穴の中で休眠することもあります。食性は植物食で、イネ科の植物・多肉植物のほか、草、低木の葉、花、果実などを餌としています。最大甲長は83センチメートルということですので、翼長55cm,体長1m以上というカンムリヅルを背中に乗せると、たしかに、切手のようなバランスになりますな。 さて、拙著『マリ近現代史』では、今回ご紹介のケヅメリクガメが棲息するマリ周辺の砂漠やサバンナの状況についてもいろいろとご説明しております。機会がありましたら、ぜひご覧いただけると幸いです。 ★★★ イベントのご案内 ★★★ ・6月1日(土) 11:00- 切手市場 於 東京・浅草 台東民会館 9階ホール 詳細は主催者HPをご覧ください。新作の『マリ近現代史』を中心に、拙著を担いで行商に行きます。 会場ならではの特典もご用意しておりますので、ぜひ、遊びに来てください。 ★★★ 内藤陽介の最新作 ★★★ 『マリ近現代史』 北アフリカ・マリ共和国の知られざる歴史から混迷の現在まで、 切手・絵葉書等で色鮮やかに再現したオールカラーの本格的通史! amazon、e-hon、hontoネットストア、Honya Club、JBOOK、7ネット・ショッピング、紀伊國屋書店、版元ドットコム、ブックサービス、文教堂、丸善&ジュンク堂書店、楽天ブックスなどで好評発売中! ★★★ 予算1日2000円のソウル歴史散歩 ★★★ 毎月1回、よみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)荻窪で予算1日2000円のソウル歴史散歩と題する一般向けの教養講座を担当しています。開催日は6月4日、7月2日、7月30日、9月3日(原則第一火曜日)で、時間は各回とも13:00~14:30です。講座は途中参加やお試し見学も可能ですので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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