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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 日本初ミス・インターナショナル
2012-10-22 Mon 13:58
 きのう(21日)、世界の女性が美と教養を競う“第52回ミス・インターナショナル世界大会 in 沖縄2012”が那覇市の沖縄県立武道館で開かれ、日本代表で佐賀県鳥栖市出身のモデル吉松育美さんが日本人としては初めてミス・インターナショナルに選ばれました。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)

         沖縄乙女

 これは、1950年1月21日、アメリカ施政権下の沖縄で発行された1円の普通切手で、琉球絣を着た“沖縄乙女”が描かれています。

 さて、アメリカ施政権下の沖縄では、日米両国の本土とは異なる“琉球切手”が発行・使用されていましたが、その最初の正刷切手が発行されたのは1948年7月1日のことです。占領当初の沖縄では、奄美・沖縄・宮古・八重山の各地区に軍政府と民政府が置かれ、郵政機関もそれに対応していましたが、1950年4月、各地区を統合した全琉球規模での郵政機関として郵政琉球郵政庁が設置されます。これに対応して、普通切手もリニューアルされることになり、琉球列島米軍政長官、ウィリアム・イーグルス少将の指導により、1949年2月から琉球軍政本部は新切手の図案を一般から公募。5月に入選作9点が発表され、琉球郵政庁の発足に先駆け、1950年1月、新図案の切手が発行されました。

 今回ご紹介の“沖縄乙女”は、画家・名渡山愛順の原画をもとにしています。

 名渡山は、1906年1月22日、那覇市松下町生まれ。東響美術学校に学び、1928年には第9回帝国美術院美術展覧会に出品した『夏の沖縄風景』が入選を果たしています。東京美術学校卒業後、帰郷し、沖縄県立第二高等女学校で教職に就きましたが、1944年10月の那覇大空襲により全作品を焼失。その後、大分県豊後竹田に疎開し、1946年に帰郷し、沖縄民政府沖縄諮問委員会、文化部芸術課の美術技官に就任しました。

 アメリカ施政権下では、1947年に首里ニシムイにアトリエを構え、1949年に行われた「第1回沖展」では絵画彫刻部門の審査委員を務めるとともに、同年結成の沖縄美術連盟の幹事を務めるなど、沖縄美術会の中軸を担う存在として活躍しました。また、1950年には豊平良顕らとともに琉球紅型研究会を発足させ、沖縄の伝統的工芸である紅型の復興にも力を注いでいます。1970年、没。

 まぁ、この切手の女性が“美女”であるか否かについては異論もありましょうが、いわゆる沖縄切手の中で、若い女性の顔をクローズアップしたものとしては代表的な1枚であることは間違いありませんので、今回の沖縄での吉松さんの快挙をたたえて、ご紹介することにしました。


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