2012-10-04 Thu 23:10
ご報告が遅くなりましたが、大手製菓メーカー(株)ロッテの季刊広報誌『Shall we Lotte(シャル ウィ ロッテ)』の第17号(2012年夏秋号)ができあがりました。僕の連載「小さな世界のお菓子たち」では、今回は、こんな切手を取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)
![]() これは、カリブ海の島国、グレナダが2011年に発行したチョコレートの切手シートで、ブラウニーが取り上げられています。 カリブ海南部、ベネズエラの対岸にある島国のグレナダは、1498年にコロンブスが“発見”しました。島の名前は、ザクロを意味するスペイン語のグラナダに由来するそうです。 1650年、この島はフランスの植民地となり、綿花、コーヒーとともに、カカオのプランテーション栽培が始まります。その後、1762年に英領となり、第二次大戦後の1974年に独立しました。 現在、グレナダで栽培されているカカオは、味覚・色ともに優れたファイン・カカオ(全世界のカカオの上位およそ5%)のうち、最高級品とされるトリニタリオ種です。 もともと、グレナダの南方にあるトリニダード島ではクリオーロと呼ばれる種類のカカオが栽培されていましたが、カカオ農園がハリケーンのため壊滅。その後、フォラステロと呼ばれる別の種類のカカオが栽培されるようになりました。このフォラステロ種と、ハリケーンで生き残ったクリオーロ種の間で自然交配が起こって生まれたのがトリニタリオ種です。 トリニタリオ種は、二つの種の長所を受け継ぎ、病気に対する体制も強かったため、カリブ海のカカオ農園で急速に広まっていきましたが、なかでも、清流に恵まれ、山地におおわれたグレナダの気候は、トリニタリオ種の生育条件として最適で、花のような香りとやわらかなスパイス香をあわせもち、力強いコクとわずかな苦みを特徴とする“特級品”とされる理想的なカカオ豆を生み出しました。 昨年(2011年)、グレナダで発行された「グレナダの輸出品」と題する切手には、同国自慢のトリニタリオ種カカオを使ったプラリネ・チョコレートとブラウニーが取り上げられましたが、この切手にはトリニタリオ種カカオの香りがつけられています。チョコレートお切手は世界各国で発行されており、その中には、香りつきのモノも時々あるのですが、今回ご紹介の切手はその中でも最もゴージャスな香りがするのではないかと思います。 なお、ブラウニーの切手のシートにつけられたQRコードを読み取ると、ブラウニーのレシピにアクセスできる仕掛けになっています。レシピを見ながら、2次元の切手を自宅で3次元のスイーツとして再現してみるのも楽しそうですね。 ★★★ 内藤陽介、カルチャーセンターに登場 ★★★ 10月から、下記の通り、首都圏各地のよみうりカルチャー(読売・日本テレビ文化センター)で8月の韓国取材で仕入れたネタを交えながら、一般向けの教養講座を担当します。詳細につきましては、青色太字をクリックしてご覧いただけると幸いです。皆様のご参加を心よりお待ちしております。(掲載は開催日順) T-moneyで歩くソウル歴史散歩 ・よみうりカルチャー北千住 10月17日、12月19日、1月16日、2月20日、3月20日 13:00-15:00 ・よみうりカルチャー荻窪 10月30日、12月4日、1月29日、2月5日、3月5日 13:00-14:30 ★★★★ 電子書籍で復活! ★★★★ 歴史の舞台裏で飛び交った切手たち そこから浮かび上がる、もうひとつの昭和戦史 ![]() 『切手と戦争:もうひとつの昭和戦史』 新潮社・税込630円より好評配信中! 出版元特設HPはこちらをクリック ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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