2012-08-20 Mon 10:18
ご報告がすっかり遅くなりましたが、『東洋経済日報』7月20日号が刊行されました。僕の連載「切手に描かれたソウル」では、今回は、7月1日の世宗市発足に合わせての世宗ネタということで、世宗文化センターの切手を取り上げました。(画像はクリックで拡大されます)
![]() ![]() 左は、1978年に発行された世宗文化会館開館の記念切手です。右側は、ソウルを訪れた際に撮影した実際の文化会館の画像です。近くの日本大使館に行く途中、連載記事で取り上げたことを思い出し、切手と同じ構図で写真を撮ろうとしたのですが、中央の階段と左側の世宗Mシアターは画面に収まったものの、右側の世宗大劇場が半分くらいはみ出してしまいました。まぁ、このあたりの段取りの悪さは、ご愛嬌ということでご勘弁ください。 さて、世宗文化会館は、地下鉄5号線・光化門駅の1・8番出口を出てすぐ、鐘路区世宗路にある複合文化施設で、世宗大劇場、世宗Mシアター、世宗チェンバーホール、美術館などから構成されています。 もともと、世宗文化会館の場所には、日本統治時代の京城市議会の議場がありましたが、朝鮮戦争を経て、1956年から新たに市民会館の建設工事が始まり、1961年11月に開館しました。ちなみに、1954年までは、日本統治時代の1935年に太平通(現・太平路)に建設された京城府民館の建物がソウル市民会館として用いられていましたが、こちらは1975年まで、国会議事堂として用いられています。 さて、世宗路のソウル市民会館は、ソウルを代表する劇場の一つとして、1967年以降、年末の“MBC10大歌手青白戦(現・MBC歌謡大祭典)”の会場として用いられていました。ところが、1972年の“青白戦”放送終了直後、火災が発生し、市民会館は全焼してしまいます。 このため、市民会館の跡地に新たな文化施設を建設することになり、1974年から工事がスタート。1978年4月14日に現在の世宗文化会館の主要部分が、同年7月1日に追加部分が開館しました。今回ご紹介の記念切手は、これに先立ち、4月1日に発行されたもので、文化会館の建物のうち、世宗路側から見たMシアターと大劇場に河回面とバイオリンを組み合わせたデザインとなっています。 ちなみに、1975年には汝矣島に現在の国会議事堂が完成したため、それまで国会議事堂として用いられていた旧市民会館は、世宗文化会館別館となりました。この建物が、現在のように、ソウル市議会の議場として用いられるのは、1991年以降のことです。 なお、日本大使館は今回ご紹介の世宗文化会館からも数百メートルの距離にあり、その前には悪名高い慰安婦少女の像があります。今回のソウル滞在中も、日本大使館前で抗議の凱旋をやっているおじさんを見かけましたが、その内容が、「ロンドン五輪での日本のユニフォームは旭日旗もどきで軍国主義復活の政治的アピールだ」というのではねぇ。一応、メディアが1-2社、取材していましたが、警備の警官や通行人も、さすがに「そりゃ、いくらなんでも無理だろう」という雰囲気で呆れ顔でしたな。まぁ、そのあたりの“温度差”については、いずれ機会を見つけて、ご紹介できれば…と思っています。 ★★★ 内藤陽介・韓国進出! ★★★ 『韓国現代史』の韓国語訳、出ました ![]() 우표로 그려낸 한국현대사 (切手で描き出した韓国現代史) ハヌル出版より好評発売中! 米国と20世紀を問い直す意欲作 ![]() 우표,역사를 부치다 (切手、歴史を送る) 延恩文庫より好評発売中! *どちらも書名をクリックすると出版元の特設ページに飛びます。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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