2012-08-07 Tue 09:09
きのう(現地時間6日)のロンドン五輪では、レスリング男子グレコローマンスタイル60キロ級の松本隆太郎が銅メダルを獲得しました。日本のレスリング切手は、すでに全部紹介してしまいましたので、きょうは1964年の東京五輪の際の記念切手の中から、この1枚です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、1964年にシリアで発行された東京五輪の記念切手の1枚で、レスリングが描かれています。図案を見る限り、五輪競技のレスリングというより、黒い皮ズボンのクスベットを身に付け、全身に大量のオリーブオイルを浴びて組み合うトルコ式レスリング(トルコ語ではヤールギュレシですが、シリアの言語であるアラビア語での呼称はわかりませんでした)のようです。背景の太鼓をたたく人も、なんとなく雰囲気があっていいですね。 さて、独立国家としてのシリアが、夏季五輪に選手団を派遣したのは1948年のロンドン五輪が最初です。ただし、1952年のヘルシンキ大会から、今回ご紹介の切手の1964年の東京大会までと、1976年のモントリオール大会は不参加で、1980年のモスクワオリンピック以降は参加を続けています。これまでに、金銀銅の各メダルを一つずつ獲得していますが、最初のメダルとなった1984年のロサンゼルス大会での銀メダルはレスリングでのものです。 今回のロンドン大会には6人の選手が参加していますが、シリア五輪委員長のモワファク・ジュマアは国軍の将軍でアサド大統領に近い人物でもあることから、現在進行中の内戦でアサド政権が反政府勢力への武力弾圧を続けることへの抗議として、開会式への出席を拒否されました。 そのシリア情勢ですが、先月15日から戦闘が続いていた首都ダマスカスで、反政府勢力の“自由シリア軍”が一時制圧していた地区を政府軍が奪還し、首都を完全に掌握したと発表する一方で、きのうは午前中に首都中心部にある国営テレビの建物で爆発事件が起き、首相のリヤド・ヒジャブが政権から離反して反政府勢力に参加するなど、ますます混迷の度合いを強めています。シリア情勢に限らず、ロンドン五輪の陰に隠れて見落とされがちな重要事件・事案も少なからずあるということは、やはり、忘れてはなりませんな。 ★★★ 内藤陽介・韓国進出! ★★★ 『韓国現代史』の韓国語訳、出ました 우표로 그려낸 한국현대사 (切手で描き出した韓国現代史) ハヌル出版より好評発売中! 米国と20世紀を問い直す意欲作 우표,역사를 부치다 (切手、歴史を送る) 延恩文庫より好評発売中! *どちらも書名をクリックすると出版元の特設ページに飛びます。 ★★★ ポストショップオンラインのご案内(PR) ★★★ 郵便物の受け取りには欠かせないのが郵便ポストです。世界各国のありとあらゆるデザインポストを集めた郵便ポストの辞典ポストショップオンラインは海外ブランドから国内製まで、500種類を超える郵便ポストをみることができます。 |
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