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内藤陽介 Yosuke NAITO
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 台湾で感謝の植樹
2012-04-14 Sat 17:10
 きょう(14日)、台南市政府などの主催により、烏山頭ダム整備に尽力した日本人技師・八田與一を記念して昨年オープンした八田與一記念公園で、東日本大震災に対する台湾の支援に謝意を伝えるために訪台した日本人ら約380人も参加して、桜の植樹式典が行われました。というわけで、きょうは、桜を描いた台湾切手のご紹介です。(画像はクリックで拡大されます)

        阿里山森林鉄道

 これは、2011年12月25日に発行された「阿里山森林鉄路100年」の小型シートで、シート上方の25NTドル切手には、桜の花の下を走るSLが描かれています。阿里山は台湾では桜の名所として知られており、3-4月の桜の季節には、森林鉄路は阿里山=神木間の(神木線)で臨時列車を増発します。25NTドル切手はそのイメージを表現したものと思われます。なお、切手に描かれているSLは、観光列車として現在なお現役で運行されています。ちなみに、シート下部の5NTドル切手は、第一号トンネルと機関車・阿里山号の列車を描いています。

 阿里山森林鉄路は、日本統治時代に阿里山のタイワンベニヒノキなどの森林資源輸送を目的として1906年から建設が開始された鉄道で、1908年にまず平地部分の嘉義=竹頭崎(現・竹崎)間が完成しました。その後、1912年に二萬平まで延伸され、1914年に沼の平(現・沼平)まで延伸されたことで、現在の本線部分が全線開通しています。

 インドのヒマラヤ鉄道、チリからアルゼンチンまでのアンデス鉄道とともに世界三大登山鉄道のひとつと称され、渓谷を見下ろす雄大な風景や走行中の標高の違いによる森林の変化などが楽しめるため、多くの観光客を魅了しています。ただし、登山鉄道の宿命として倒木や土砂崩れなどによる事故が発生することもしばしばで、2011年4月には倒木による脱線事故が圧制したため、線路の点検や危険な樹木の伐採、防護柵の設置などの安全対策のため、一時、全線が運休していました。また、嘉義線の嘉義=奮起湖間は2008年の台風13号により施設が被災した影響で現在なお運行が再開されていないほか、奮起湖=神木間は大規模な土砂崩れが2ヵ所で起こった影響で、迂回のためのトンネル工事が行われていることもあり、運行再開は早くて2014年の予定だそうです。

 さて、今回の台湾での桜の植樹には、八田與一が石川県河北郡花園村(現金沢市)の出身ということで、石川県選出の森喜朗(元首相)が「台湾の人々の真心のこもった震災支援に心から感謝する。桜が日台の絆をますます強くしてくれるよう願っている。」とあいさつしたそうですが、まさに多くの日本国民の思いを代弁したものといえましょう。

 桜を通じた友好親善といえば、ワシントンの桜が今年で100年ということがメディアでも大々的に取り上げられたばかりですが、それと比べて、今回の台湾での植樹があまりクローズアップされていないように見えるのは残念なことです。まさか、「桜は日本による侵略戦争のシンボルだ」などという妄言をまき散らす連中の国に配慮した結果ではないのでしょうが、もしもそうだとしたら、実に暗澹たる気分になりますな。


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