2011-12-28 Wed 23:06
今月17日に亡くなった北朝鮮の“将軍様”こと金正日の告別式が、きょう(28日)、行われました。告別式は午前10時から行われる予定でしたが、実際には午後2時から始まり、平壌の錦繍山記念宮殿での開始宣言、儀仗隊の閲兵、遺体を運ぶ行列の平壌市内行進を経て、金正日の遺体は錦繍山記念宮殿に戻り、“首領様”こと金日成主席の遺体と共に安置されました。金正日の遺体も金日成同様、ミイラ化されて、永久に保存されるそうです。というわけで、きょうは錦繍山記念宮殿の切手です。(画像はクリックで拡大されます)
これは、金日成の没後2周年にあたる1996年7月8日に北朝鮮が発行した“偉大なる首領・金日成同志は永遠に我々とともにある”の切手の1種で、錦繍山記念宮殿が大きく描かれています。 錦繍山記念宮殿は、もともとは金日成が生活と公務を行っていた官邸で1976年に完成。当初の名称は“錦繍山議事堂”ですが、実態を反映として主席宮殿と呼ばれていました。なお、北朝鮮の国会に相当するとされる最高人民会議の議場は、万寿台議事堂という別の建物です。 金日成の死後、彼の遺体がレーニンや毛沢東に倣って永久保存されることになったのを受け、その保管・公開場所として改築され、金日成没後1周年の1995年7月8日に記念宮殿として開館しました。ただし、一般の北朝鮮国民への公開は、翌1996年8月からだったといわれています。 記念宮殿の3階に安置されている金日成の遺体の維持・管理は、レーニン廟の実績からロシアの機関に依頼されて、年間の維持費は年6000万円かかるそうです。ちなみに、今回、金正日の“ミイラ”を制作するための処理費用には8000万円といわれています。ということは、2012年には、最大、ミイラを作る費用8000万円+年間管理費6000万円×2=2億円がかかるということになるのでしょうか。まぁ、金王朝の個人資産からすればはした金なのでしょうが、経済的に破綻した北朝鮮国家としては、決して安い金額とはいえませんな。 ちなみに、かつてのレーニン廟にはレーニンと並んでスターリンの遺体も安置されていましたが、いわゆるスターリン批判に伴い、スターリンの遺体は1961年に撤去され、赤の広場に埋葬されています。北朝鮮の場合は、現体制が崩壊すれば、金正日のみならず金日成の遺体もまとめて撤去されることになるのでしょうが、はたして、いつになったらそういう日が来るんでしょうかねぇ。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ 年賀状の戦後史 角川oneテーマ21(税込760円) 日本人は「年賀状」に何を託してきたのか? 「年賀状」から見える新しい戦後史! ★ TBSラジオ・ニュース番組森本毅郎・スタンバイ(11月17日放送)、11月27日付『東京新聞』読書欄、『週刊文春』12月1日号、12月1日付『全国書店新聞』、『週刊東洋経済』12月3日号、12月6日付『愛媛新聞』地軸、同『秋田魁新報』北斗星、TBSラジオ鈴木おさむ 考えるラジオ(12月10日放送)、12月11日付『京都新聞』読書欄、同『山梨日日新聞』みるじゃん、12月14日付『日本経済新聞』夕刊読書欄、同サイゾー、12月15日付『徳島新聞』鳴潮、エフエム京都・α-Morning Kyoto(12月15日放送)、12月16日付『岐阜新聞』分水嶺、同『京都新聞』凡語、12月18日付『宮崎日日新聞』読書欄、同『信濃毎日新聞』読書欄、12月19日付『山陽新聞』滴一滴、同『日本農業新聞』あぜ道書店、[書評]のメルマガ12月20日号、『サンデー毎日』12月25日号、『郵趣』1月号で紹介されました。 amazon、bk1、e-hon、HMV、livedoor BOOKS、紀伊國屋書店BookWeb、 セブンネットショッピング、楽天ブックスなどで好評発売中! ★★★ 好評既刊より ★★★ ハバロフスク(切手紀行シリーズ?) 彩流社(本体2800円+税) 空路2時間の知られざる欧州 大河アムール、煉瓦造りの街並み、金色に輝く教会の屋根… 夏と冬で全く異なるハバロフスクの魅力を網羅した歴史紀行 シベリア鉄道小旅行体験や近郊の金正日の生地探訪も加え、充実の内容! amazon、bk1、e-hon、HMV、livedoorBOOKS、紀伊國屋書店BookWeb、セブンネットショッピング、楽天ブックスなどで好評発売中! |
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