2011-12-25 Sun 23:13
1991年12月25日にソ連大統領のミハイル・ゴルバチョフが大統領職を辞し、名実ともにソ連が崩壊してから、きょうでちょうど20年です。というわけで、きょうはこの切手です。(画像はクリックで拡大されます)
![]() これは、1991年12月12日にソ連が4種セットで発行した“ロシアの歴史家”の切手のうち、クリュチェフスキーを取り上げた10コペイカ切手です。“ロシアの歴史家”はソ連として最後の切手となりましたが、カタログの番号では今回ご紹介の1枚が最後の切手となります。 クリュチェフスキーは、帝政時代の1841年1月28日、ヴォルガ川流域・ペンザ県で聖職者の子として生まれました。地元のペンザ神学校を卒業したものの、聖職者にはならず、モスクワ大学の歴史・文学部に入学。大学卒業後、1872年に論文「歴史資料としての古代ルーシ聖者伝」を発表して注目を集め、モスクワ大学教授就任後の1886年に発表した論文「モスクワ帝国に関する外国人の報告」でロシアを代表する歴史家としての地位を確立しました。レーニンも彼の著作の愛読者で、代表作『ロシア史講話』第5巻補筆が未完成のまま、1911年に亡くなりました。 一方、ソ連崩壊のプロセスについても簡単にまとめておくと、1991年8月19日の共産党保守派によるクーデターが鎮圧された結果、8月28日には活動停止に追い込まれました。この間、8月24日にはウクライナがソ連からの独立を宣言。さらに、12月8日、ロシアのボリス・エリツィン大統領、ウクライナのレオニード・クラフチュク大統領、ベラルーシのスタニスラフ・シュシケビッチ最高会議議長がベラルーシのベロヴェーシの森で会談し、これら3国のソ連からの離脱とEUと同レベルの国家の共同体の創設が宣言されました。これを受けて、12月21日、カザフスタンのアルマ・アタでソ連を構成していた共和国の首脳が会談し、独立国家共同体(CIS)の創設が決定されます。これにより、ソ連はその存在意義を失い、12月25日のゴルバチョフ辞任につながっていくわけですが、今回ご紹介の切手は、まさに、そうした混乱のさなかに発行された1枚といってよいでしょう。 ちなみに、11月に上梓した拙著『ハバロフスク』は、ソ連崩壊20周年の節目にあわせて、激動のソ連・ロシア現代史の一端を切り取るよう、努力して作ってみた本です。また、同署には先日亡くなったばかりの金正日の実際の生地ヴャツコエを訪ねたレポートも付録として掲載しておりますので、ぜひ、ご覧いただけると幸いです。 ★★★ 内藤陽介の最新刊 ★★★ ![]() 年賀状の戦後史 角川oneテーマ21(税込760円) 日本人は「年賀状」に何を託してきたのか? 「年賀状」から見える新しい戦後史! ★ TBSラジオ・ニュース番組森本毅郎・スタンバイ(11月17日放送)、11月27日付『東京新聞』読書欄、『週刊文春』12月1日号、12月1日付『全国書店新聞』、『週刊東洋経済』12月3日号、12月6日付『愛媛新聞』地軸、同『秋田魁新報』北斗星、TBSラジオ鈴木おさむ 考えるラジオ(12月10日放送)、12月11日付『京都新聞』読書欄、同『山梨日日新聞』みるじゃん、12月14日付『日本経済新聞』夕刊読書欄、同サイゾー、12月15日付『徳島新聞』鳴潮、エフエム京都・α-Morning Kyoto(12月15日放送)、12月16日付『岐阜新聞』分水嶺、同『京都新聞』凡語、12月18日付『宮崎日日新聞』読書欄、12月19日付『山陽新聞』滴一滴、同『日本農業新聞』あぜ道書店、[書評]のメルマガ12月20日号、『サンデー毎日』12月25日号で紹介されました。 amazon、bk1、e-hon、HMV、livedoor BOOKS、紀伊國屋書店BookWeb、 セブンネットショッピング、楽天ブックスなどで好評発売中! ★★★ 好評既刊より ★★★ ![]() ハバロフスク(切手紀行シリーズ?) 彩流社(本体2800円+税) 空路2時間の知られざる欧州 大河アムール、煉瓦造りの街並み、金色に輝く教会の屋根… 夏と冬で全く異なるハバロフスクの魅力を網羅した歴史紀行 シベリア鉄道小旅行体験や近郊の金正日の生地探訪も加え、充実の内容! amazon、bk1、e-hon、HMV、livedoorBOOKS、紀伊國屋書店BookWeb、セブンネットショッピング、楽天ブックスなどで好評発売中! |
#2089 「年賀状の戦後史」ですが
日本農業新聞でも紹介されていました。
何日付だったかは忘れてしまいましたが(汗) #2091 コメントありがとうございます
・桃姫の衛兵様
情報ありがとうございます。グーグルで調べてみたら、19日付の紙面のようですので、掲載情報に追加いたしました。 今後ともよろしくお願いします。 |
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