今朝のニュースによると、21日(現地時間)にニューヨーク出行われたクリスティーズ・オークションで、アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンの肖像画が2130万ドル(約24億6000万円)で競り落とされたそうです。報道では、日本円の金額を四捨五入して“25億円”としているところが多かったようですが、24億6000万円と25億円じゃ4000万円の隔たりがあります。僕の家のローンよりも大きな金額です。まぁ、このクラスになると、そんな“はした金”なんてどうでもいいということなのでしょうか。(僻みっぽくなりますが、僕にとっては全然どうでも良くないです。)
で、このニュースを紹介していたキャスターやコメンテーターは、僕の知る限り、ことごとく「こんな絵が…」というニュアンスで話していましたが、実は、アメリカ人にとってはこの絵は教科書にも出てくる非常に有名なもので、当然、切手にも取り上げられています。
画像の切手(クリックで拡大されます)は、1977年に発行されたアメリカ独立200年切手の1枚で、独立戦争中の1777年1月1~3日、ワシントンがニュージャージー州プリンストンで、チャールズ・コーンウォリスのイギリス軍とのたたかいに勝利した場面を描いたものです。この攻撃の成功は、独立を支持する入植者達の士気を大いに鼓舞したものとして、アメリカ史の教科書には必ず取り上げられています。
切手に取り上げられている(=今回、高額で取引された)絵画は、1779年、チャールズ・ウィルソン・ピールが1777年の戦いを記念して描いたもの。絵そのものの高さは2.4メートルあり、肖像は実寸に近いといわれています。
ホンモノなら“25億円”もする「プリンストンのワシントン」ですが、1977年に発行された切手なら、せいぜい日本円で100円前後で手に入れることができます。身近に美術を楽しむことができるのも、切手の魅力の一つといってもいいのかもしれません。
ちなみに、今回の画像で使っている未使用の切手を探していたら、こんなアルバムページが出てきました。(画像はクリックで拡大されます)
アルバム・リーフ(切手が貼ってあるルーズリーフ式の台紙)の製造年月日を見ると1979年6月となっていますから、中学1~2年生の頃に作ったものでしょう。あまり記憶は定かではないのですが、袋詰めのアメリカ切手を買ってきて、そのなかからワシントンのものだけ抜き出して貼りこんだものじゃないかと思います。今回とりあげた「プリンストンのワシントン」の切手も、使用済みですが、しっかり貼ってあります。
親からもらった万年筆で習いたての英語の筆記体を書いているのが、いかにも純朴な切手少年のアルバムという感じですねぇ。最近、僕のことを知った人にとっては、内藤というのは単なる(性格)チョイ悪オヤジのイメージが強いのかもしれませんが、僕にだって、こういう時代があったんですよ。